音楽メモランダム (2006年掲載分)
目 次
既存店舗とオンライン店 (December 29, 2006)
クラシック音楽の普及 (November 12, 2006)
音楽配信と音質 (October 15, 2006)
新しい局面を迎えるネット配信 − 新音楽ビジネスモデル (September 21, 2006)
「ネット配信のみ、CD販売無し」が増えるか? (August 13, 2006)
デジタル放送「録画1回限り」緩和か? (July 30, 2006)
米MTV Networks の音楽配信サービス "URGE" (May 24, 2006)
草コンサートと宣伝 (May 21, 2006)
さすがアップル (April 2, 2006)
音楽配信がいよいよ実用期に (March 22, 2006)
過去の掲載分 2005年 2004年 2003年 2002年 2001年 2000年 1999年
クラシック音楽の普及 (November 12, 2006)
音楽配信と音質 (October 15, 2006)
新しい局面を迎えるネット配信 − 新音楽ビジネスモデル (September 21, 2006)
「ネット配信のみ、CD販売無し」が増えるか? (August 13, 2006)
デジタル放送「録画1回限り」緩和か? (July 30, 2006)
米MTV Networks の音楽配信サービス "URGE" (May 24, 2006)
草コンサートと宣伝 (May 21, 2006)
さすがアップル (April 2, 2006)
音楽配信がいよいよ実用期に (March 22, 2006)
過去の掲載分 2005年 2004年 2003年 2002年 2001年 2000年 1999年
既存店舗とオンライン店 (December 29, 2006)
- いよいよ、今年も残すところ数日で終わりです。昨年の暮れには、「2005年のベストニュース」と題して、iTMS と iPod を取り上げました。
- 今年は、その傾向がますます大きくなって来たことに加え、米国 Tower Records 社の経営が破綻し、その要因の一つにインターネットによる音楽配信も噂されていました。
- 実際には、Tower Records 社の破綻に音楽配信はあまり影響が無かったのではないでしょうか。
- ちなみに、全米レコード協会(RIAA)の統計によれば、音楽ソフトの販売シェアは、1980年代には、80%以上を占めていた Tower Records のような専門店が、2002年には30%台に落ち、コンビニやスーパなどが50%以上のシェアを占めるようになりました。インターネットによる音楽配信は、2004年にまだ10%に満たない状況でした。
- ここで、簡単に Tower Records の足跡をみてみましょう。
1960年 創業
1968年 サンフランシスコ・コロンバス通りに出店
1979年 日本支社を開設、以降世界的なチェーン店へと発展
2002年 経営破綻、海外進出をはじめとする店舗網拡大戦略が裏目
2003年 日本法人が経営陣による企業買収によって米国本社から完全に独立
2006年 2度目の経営破綻、店舗網縮小以外の戦略なし - 最初の破綻は、Walmart や BestBuy のような量販店に対抗するために、店舗網拡大という(誤った?)戦略をとったことにあります。量販店では、売れ筋の商品のみを安い価格で売るので、他の商品を買いに行った客がついでに買い物篭にCDも放り込むという商法に対抗できなかったのです。
- 日本法人などの儲かっている会社を売却することによって、一時的に資金難を逃れても、旧態依然とした経営方法では、量販店に勝てなかったということでしょう。
- ちなみに、1981年に渋谷にできた日本店は、当初あまりさえない店構えでしたが、1995年に現在の場所に移転したときには、圧倒的な存在感で顧客も多く入っていました。
- その後、HMV などの進出もあり、一人勝ちとは行かなくなりましたが、Eコマースサイト「@TOWER.JP」の運営、だけではなく、本年10月から日本初の定額制音楽配信事業を関係会社のナップスタージャパン株式会社を通じて行うなど、日本のタワーレコードはまだまだ健在のようです。
- しかしながら、既存店舗とオンライン店の選択は、消費者が行うものなので、消費者の動向を読み違えると、どうなるかわかりませんね。
クラシック音楽の普及 (November 12, 2006)
- 今年は、モーツァルト生誕250周年で盛り上がりましたが、モーツァルトが活躍したころにはまだCDやDVDはおろかSPレコードもありませんでした。
- 特定の作曲者の曲が一般の人に広く聴かれるようになったのは、レコードが普及してからのことですから、まだ100年位の歴史です。
- レコードがエジソンによって発明されたのは、1877年ですが、実際に普及するレコードは1887年のエミール・ベルリナーによるグラモフォンが元になっています。
- 特に、20世紀に入ってから電蓄が発明され、1分間78回転、直径10インチのレコード盤を使うことが事実上の(後にSPレコードと称される)標準になり普及しました。
- SPレコードは片面5分程度の曲しか録音できないため、クラシックのような演奏時間の長い曲には不向きで、より長時間録音ができるLPレコードが発売されるまで、クラシック音楽の録音には、かなりの苦労があったようです。ベートーヴェンの交響曲のなかでも「運命」が世界的に有名になったのは、各楽章が5分程度に収まり、SPレコードの2枚組にうまく収められたためだといわれています。
- もうひとつSPレコードによって世界中に知られるようになった、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークも同様の理由によるようです。
- WMCは、多くの人にクラシック音楽の楽しさを知ってもらえるようにする一方策としてライブのコンサートをできるだけ多くの人に聴いてもらうことに力点をおいて来ましたが、やはりライブだけでは大きな広がりは困難なように感じます。
- 特に今年の状況を見ますと、荒川静香さんがオリンピックで優勝したことがきっかけで、今まで、オペラはおろかクラシック音楽には見向きもしなかった人たちが携帯電話の着信音にまで、プッチーニのトゥーランドット「誰も寝てはならない」を使うような現象が起きたり、テレビで、二ノ宮知子さん原作の「のだめカンタービレ」が放映されると、そこで使われた音楽(クラシック音楽ばかり)のCDが売れ出したそうです。
- このような状況を見ますとWMCがインターネットの片隅で細々と活動していたことなど全く何の力にもなっていないことを思い知らされます。
- そろそろ幕の降し時かなと思い始めております。
音楽配信と音質 (October 15, 2006)
- これまで、音楽ビジネスの主流であった(今もそうだが、いつまで続くか)レコード会社が音楽配信に抵抗してきたもっとも大きな理由は、演奏家が聴衆と直結することによって、自分たちの存在価値がなくなることではなかったのでしょうか?
- その恐れが、現実になりかけている例が、フィラデルフィア交響楽団のライブ録音配信なのかもしれません。
- しかし、音楽配信さえ軌道に乗れば、演奏家と聴衆の中間を取り持つ存在は不要になるわけではないでしょう。これまでレコード会社が行ってきたことは、CDやレコードなど物を流通させることでは無かったはずです。それらは、販売店や物流業者の仕事でしょう。
- それはさておき、最近は、インターネット接続もブロードバンドが普及し、記憶装置の容量やコンピュータの性能も上がったため、配信される音楽もこれまでほどに圧縮率を問題にしなくとも良くなりました。
- 配信される音楽ファイルフォーマットの主流は、いまのところ MP3 と AAC のようですが、これらは圧縮率を良くするため非可逆圧縮となっていて、元の音の一部をカットしています。
- これに対して、可逆圧縮の場合は、元どおりに再現できるため、原理的には、高い音質が得られます。その反面、圧縮率が低くなります。
- オーケストラの曲のようにダイナミックレンジが広く、音域も広い音源の場合は、今後、可逆圧縮による配信が主流になると思います。
- 先の例であげたフィラデルフィア交響楽団の音楽配信の場合、可逆圧縮の FLAC を使っています。期間限定で、MP3版を無料配信していますが、FLAC版でも十分安い料金(ベートーヴェンの5番全楽章で $5.66-)が設定されています。(その後価格は改定されています)
- こうなると、家庭用のオーディオ機器の性能のほうが問題になるのかもしれません。それ以前にそれを置く部屋が問題なので、より良いイヤホーンでも購入しますか。
関連記事:
フィラデルフィア交響楽団のオンライン音楽店
フィラデルフィア交響楽団のオンライン音楽店
新しい局面を迎えるネット配信 − 新音楽ビジネスモデル (September 21, 2006)
- WMCで以前(この欄での初出は、2003年2月)から提唱してきましたデジタル社会の新音楽ビジネスモデルがいよいよ実現しそうになりました。
- 当初、日本のレコード会社や家電メーカなどに期待をしていましたが、彼らは、当初、全く逆の行動をとってきました。 Napster がネット配信の道を示したときには、著作権を無視した利用法という負の側面ばかりを問題にして、物流を伴わない音楽の配信の可能性をつぶす方向に力を注いでいました。
- ところが、Apple が iTMS と iPod で成功すると、今までネット配信の足をひっぱてきた彼らがいっせいに音楽のネット配信に力を入れだしました。
- それでも、この方法は、これまでのネット利用の考え方をそれほど大きくは変えたものではありません。
- 先々月のこの欄でも「・・・YouTube などが Napster 以上のインパクトを与えている・・・」と書きましたが、先日、その YouTube が Warner Music と提携し、Warner Music が権利を保有する音楽ビデオを無料で配信することになりました。
- これまで、コンテンツは無料、広告料で稼ぐという YouTube のビジネスモデルは、著作権侵害の恐れがあることから、広告主が二の足を踏み、成功しないと言われてきました。ところが、YouTube は、著作権付き音楽を自動検知する技術を開発することにより、著作権料と広告収入のバランスをとることにしたのです。
- すなわち、提携先の Warner Music が著作権を管理している音楽ビデオをユーザが投稿した場合、これを自動的に検知して、アップロードを許可するか拒否するか Warner Music がを選択できるようになるということです。
- Warner Music は、単に自社のコンテンツを一般ユーザが投稿することを認めるだけではなく、そのコンテンツをマッシュアップすることすら認めるようです。これはまさに、ネットを、単なるコンテンツの提供媒体から、クリエータのためのプラットフォームへと進化させる快挙といえそうです。
- なお、この先進的なシステムは今年末までには稼働するとのことで、Universal Music Group や Sony BMG Music Entertainment も、YouTube と交渉を進めているとのことです。
「ネット配信のみ、CD販売無し」が増えるか? (August 13, 2006)
- WMCで永年訴えてきました音楽のネット配信がいよいよ一般化してきました。大部分がクラシックではなく、ポップスの分野のようですが、ネット配信ではなくCDの世界でも同様の傾向ではないでしょうか?
- いやいやそうではないと言う人もいそうですね。と言いますのは、クラシックの場合は、iPod のような携帯プレーヤでの音質には満足できないマニアが多くて、彼らはダウロードしたファイルを携帯プレーヤで聴くスタイルはとらないからだそうです。
- しかし、WMCではクラシック音楽の裾野を広げることが目的ですから、クラシックマニアだけではなく、クラシック音楽を楽しむ人全体が増えるようにと考えていますので、音質について、多少のことはやかましく言わないことにしています。
- と言いましても、音質は良いに越したことはありません。iPod の音質といえば、音質を左右するイヤホーンについて、WMCの姉妹サイトPCJ(The PC Journal)で各種イヤホーンを比較していますので、興味がある方はご覧下さい。
- 本題に戻りまして、iTunes Music Store にしても MaxMuse にしてもCDで発売したものをネットで配信するというケースが主ですが、CDの場合は、流通コストが大きいうえ、媒体やケースにかかる費用、ラベルの印刷代などもかかります。ですから、CDにはしないで、ネット配信だけにすれば、コストが大きく下がります。
- 既にその様にしてコストを下げている例があります。iTunes Music Store で配信されていますローリン・マゼール指揮、ニューヨーク・フィルハーモニーの "Mozart The Last Symphonies" は、CD発売の予定が無いそうです。でも、このアルバムは1500円ですから決して安いわけではありません。
- コストが下がっても値段が下がらないのは、今のところ、音楽配信業界が寡占状態だからでしょうかね。
デジタル放送「録画1回限り」緩和か? (July 30, 2006)
- 現在1回に制限されているデジタル放送の録画制限の緩和を政府が放送業界と家電メーカーに対し求める方針であることが報道されました。(日本経済新聞2006年7月30日朝刊)
- これまで、WMCではデジタル録音のコピーに関するあまりにも制限的な手段には反対してきました。その延長線上で考えれば、この報道は喜ばしいことのようにも思えます。
- しかしながら、これは手放しで喜んでよい内容かどうかを良く検討する必要があると思います。特に、不当コピーによって利益を得ようとする輩への対応が明示されていないことが問題ではないかと思います。
- WMCの意見の主旨をもう一度述べますと、音楽(絵画や映画なども同様だとは思いますがここでは音楽に限定します)の発展には、下記の要件が必要(十分ではないが)だと考えています。
- クリエータ(作曲家や演奏家)の成果を出来るだけ多くの人が享受できること
- クリエータの権利は十分確保できること
- 聴衆にとっては、自分が楽しむだけが目的の場合、他人の創造物を自由に複写・改変できること
- クリエータにとっても他のクリエータの成果を自己の創造活動の参考に利用できること
- 1. の要件を満たすには、CDのほかデジタル放送も大いに役立つと思いますが、ここで、2. の要件を満たすことが問題になります。
- CDの場合のレコード業界、デジタル放送の場合の放送業界などは、クリエータの権利を口にしながら、実は自分たちの商売上の権利確保を目的に考えるので話がおかしくなります。
- クリエータにとっては、3. の要件を満たすことが結果的に自分たちの成果を広く認めてもらえることにつながるので、反対する人はほとんどいません。
- 問題は、いわゆる海賊版の流通です。これが、話をややこしくしています。クリエータから見れば、海賊版であろうと正規版であろうと自分にリーゾナブルな収入が得られれば良いわけです。
- 例えば、いわゆる海賊版を広範囲に流通させる機関があって、その機関がクリエータ(正規版の作成者を含む)にリーゾナブルな料金を支払うという仕組みが実現できればそれでも良いわけです。
- ところが、レコード会社や放送会社は、クリエータではなく自社の利益のみを考えているので、このような発想は出てきません。ただし、アナログ録音機の場合、録音機の方に著作権料を課金することによって、見かけ上それに近いことが実際に行われています。
- レコード会社や放送会社に任せておくと、その結果が結局は自分たちにとっても市場を狭めることになるような方策ばかり考えるので、聴衆一般の声が重要ではないかと思います。
- そこで提案ですが、デジタル・コンテンツ自身は完全にコピー・フリーにし、それを再生するときに特定のキーがないと再生できないことにします。そのキーは、コピーごとに異なり、保有者の個人認証と組み合わせなければ再生できないようにします。キーは完全にコピープロテクトし、再販できないようにします。
- これは、まだ思いつきの段階なので、まだ十分な検証はしておりません(特に、コピーの編集と編集結果をコピーする権利の保障)が、アイデアの段階で公表することで、さらに良い方式が実現できればそれに越したことはありません。
- 音楽のネット流通について、Napster が先鞭をつけ、iTunes Music Store で商用ベースに乗りました。写真の flickr や動画の YouTube などが Napster 以上のインパクトを与えているので、冒頭で紹介しました政府方針も今後の動向を注視していきたいと思います。
米MTV Networks の音楽配信サービス "URGE" (May 24, 2006)
- 米MTV Networks が米国時間 5月17日、音楽配信サービス "URGE" を開始しました。"URGE" は、同日米Microsoft が公開した Windows Media Player 11ベータ版を利用し、MP3 や Windows Media Audio 形式の楽曲を提供するサービスです。
- ダウンロード可能な楽曲は200万曲以上で、MTV Networksの番組「MTV」「VH1」「CMT」のコンテンツも含まれるほか、130以上のラジオ局が利用できるとされています。
- 料金は、1曲ごとに99セントでダウンロードできるサービスのほか、一定額を支払えば、無制限にダウンロード可能な固定料金プランもあります。固定料金プランの料金は、パソコンで再生するだけなら、月額9.95ドル、ポータブル音楽プレーヤーへの転送も出来るようにするなら、月額14.95ドルです。
- WMCでも早速 Windows Media Player 11ベータ版をダウンロードし、"URGE" の14日間無料試用版をインストールしてみました。Media Player の画面右上にある「Online Stores」をクリックしてみましたが、画面には、無常にも「No Available Online Store」と表示されました。
- その画面には、小さな字で補足説明があり、この地方では利用できるサービスがないと書かれています。要するに、"URGE" は、米国内のみのサービスのようです。"URGE" の発表記事には、米国内でダウンロードできるとは書かれていますが、それ以外の国では駄目だとは書かれていません。現に、Windows Media Player 11ベータ版も "URGE" の14日間無料試用版もダウンロードでき、インストールもできました。
- "iTunes Music Store" のばあいと同様に、このようなサービスが、日本でも利用できる日は遠くないと思います。iPod が大流行とは言っても音楽配信サービスは、今のところ音楽流通業界の収入の5%しか占めていないとのことなので、まだまだ黎明期といってよいのでしょう。
草コンサートと宣伝 (May 21, 2006)
- 草(くさ)が語頭につく言葉、草野球、草競馬、草芝居・・・、また草(そう)が語頭につく言葉、草案、草稿・・・など、草という接頭語は、本格的ではないと言うような意味がこめられているようです。
- 野球の場合、プロ野球はもちろん、高校野球や大学野球、実業団野球なども草野球とは言わないようで、プロとアマとの違いとも違うようです。
- 競馬の場合も、中央競馬に限らず地方競馬も草競馬とは言わないようで、本来競走馬として飼育された馬ではない馬で素人が競争するような場合を草競馬と呼ぶようです。
- そこで、プロのオケでもなく、学生オケなどでもない、安物の楽器と小学校の講堂のような音響効果も考慮外という会場で、素人が集まって行うコンサートを草コンサートと呼んではいかがでしょう。
- 草野球でも観客がいて応援などしてもらえると励みになりますが、草コンサートの場合もやはり観客が多いに越したことはありませんね。
- 草コンサートに限らずコンサートの場合、観客を集めるもっとも効果がある手段は、友人知人による口コミです。その次がテレビ番組で取り上げられたり、広告による効果がありますが、草コンサートのばあい、よほど話題性が無いと取り上げてはもらえません。まして広告宣伝費などは使えません。
- パンフレットなども口コミの補助としては必要でしょうが、なんと言ってもお金をかけずに宣伝するには、インターネットが最適ではないでしょうか?パンフレットを作成するにしても、通常はワードプロセッサーなどで電子媒体にしてから印刷するわけですから、印刷代が節約できるだけでも安上がりでしょう。
- ところが残念なことに、アマチュア音楽団体の場合、ウェブサイトを持っている団体でも、団体内部の連絡用には利用しても、宣伝用には活用されていないケースが沢山見受けられます。たまに、次回演奏会の案内ページがあっても何年か前のものであったりします。
- その団体の活動を良く知っている人には、携帯メールで知らせる程度でも良いのかもしれませんが、よく知らない人向けには、パンフレット程度の内容を知らせなければ、来ていただけないのではないのでしょうか。そのためにもウェブサイトがもっと活用されても良いと思われます。
さすがアップル (April 2, 2006)
- 以前このサイトで、音楽の新しい流通ビジネスモデルに対してCD会社が足を引っ張るようなまねをしていることを何度か書きました。
- このことと平行して、東芝EMIやソニー・ミュージック・エンターテイメントなどのCD会社のバナー広告をWMCのページに掲載しようとして、各社に申込みましたが、審査で拒絶されました。
- 先日、アップルの1社独占を狙っているかのような姿勢について苦言を呈する文を掲載しましたので、思いついて、アップル社に "iTunes Music Store" のバナー広告をWMCのサイトに掲載できるよう申込みましたところ、日本の各CD会社とは異なり、あっさりと審査合格になりました。
- WMCは、政治や宗教のみならず、どの営利企業にも偏らない客観的な態度を貫いているつもりですが、日本のCD会社は、一寸自分の事業方針に批判的な意見を掲載しただけで、敵だとみなすようです。
- それに比べるとアップル社は大人の態度で、批判もあえて聞く耳を持っているようです。だからこそ旧来の殻を破った新しいビジネスを実践できるのでしょう。
- 日本の音楽関係ビジネスに取り組んでいる会社も、少しはアップル社を見習って欲しいものです。
音楽配信がいよいよ実用期に (March 22, 2006)
- アップルの "iTunes Music Store" につきましては、2005年のベストニュースとして取り上げました。
- WMCでは、"iTunes Music Store" の発表当初の2003年4月に、「歓迎!アップルの "iTunes Music Store"」と歓迎の意を呈しておりますが、これはなにもアップル社に対して賛意を表したということではなく、音楽配信のパイオニアとして敬意を表したものです。
- その証拠というわけでもありませんが、1年後の2004年4月には、「アップルコンピュータの愚行?」と "iTunes Music Store" を iPod との組み合わせ以外は認めないようなアップルの姿勢を批判しております。
- ここに来て、アップルのこの姿勢に公の批判が出ました。それは、フランス国民議会が可決した著作権法改正案で、これはアップルを名指ししているわけではありませんが、音楽配信を1社独占にさせないと言うことでは、WMCのアップル批判と同じ問題意識であると思います。
- フランスの動きに加えて、米国にも同様の動きが出れば、業界に弱い日本政府も同調せざるを得なくなりソニーの音楽配信サービス等にも影響が出るでしょう。
- WMCとして、2002年4月から主張しておりました「デジタル社会の新音楽ビジネスモデル」がいよいよ本格的な実用期に入りそうに思えます。