オルガン音楽の多様な美しさにふれてほしいと始まったオルガン・サロン・コンサート。参加者は口コミで大事に紹介して頂いた方々です。 |
J. S. バッハ | 主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ BWV617 |
テゼの歌集から | シメオンのカンティクム ほか |
ヨーロッパでは19世紀になるまで、教会音楽は人々に大変身近な存在でした。教会は聖別された場所である一方、今のお役所や集会所、学校のような役割も持っていたため、市民は日常ひんぱんに教会に足を運んでいました。今のように家族や友人と気軽に音楽を楽しむなどという贅沢はできなかった時代ですから、一般市民にとっては教会で聞くことが本格的な音楽に触れる唯一の機会だったのです。
教会では、ミサや礼拝といった祭事で神への祈りの音楽(典礼音楽)としてオルガンが鳴らされました。オランダのように、典礼とは離れたオルガン・コンサートが早くから行われた例もありますが、いずれにしろそれらの催しは聖書に基づく一年間の暦 "教会暦"に沿う形で行われ、音楽も選ばれました。市民はその中で安らぎ、あるいは気持ちを奮い立たせ、日々の生活や自身のことを振り返りながらオルガンを聴いていたのでしょう。人々の気持ちに沿い市民と共に育ったからこそ、オルガンは表情豊かで、現代の私たちの心にも響く楽器となったのかもしれません。古の市民のように、オルガンの音で季節の移りかわりを感じるような気持ちで聞いて下さればと存じます。
(5月発売のCDのブックレットより引用)
G. フレスコパルディ | 音楽の花束より、エレヴァツィオーネ |
D. ブクステフーデ | 来たれ聖霊、主なる神, BuxWV 199 ほか |
明日は『聖霊降臨祭』、キリスト教会の大きなお祝いの日です。そのグレゴリオ聖歌を用いて作曲されたN.deグリニーの讃歌はこの季節の喜びが伝わってくる作品です。サロン・ド・アデルフィアのオーベルタン・オルガンがより高らかに讃歌を奏でてくれることを期待し演奏します。またイタリア・ローマで活躍したフレスコバルディの対位法を多く使った作品、J.S.バッハがイタリアの音楽からインスピレーションを得て作曲した作品、そしてドイツ語の装飾コラール、象徴と対位法を散りばめられた素晴らしいフーガ、と様々な形式の作品を選曲しました。今日のひと時が、5月の日差しのようにオルガンの暖かな音色やさわやかな風につつまれる時となりましたら幸いです。 田上麻里
N. de グリニー |
来たれ、創り主よ |
J. S. バッハ | 協奏曲 ト長調 BWV592 ほか |
D. ブクステフーデ |
われら聖霊に願いまつる BuxWV209 |
J. S. バッハ |
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J. S. バッハ | いと高きところの神にのみ栄光あれ BWV 676 ほか |
J. S. バッハ | カンタータ 85番「われはよき羊飼い」よりアリア |
カンタータ 104番「聞きまたえイスラエルの牧者よ」より |
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レシタティーボ、アリア、コラール ほか |
J.-A. ギラン | 第二旋法の組曲 |
J. S. バッハ | |
J. アラン |
世俗前奏曲第1番 |
組曲より「コラール」 ほか |
J. S. バッハ |
最愛なるイエスよ、我らここに集い BWV 730, 731 |
J. L. クレプス |
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J. S. バッハ | カンタータ「深き淵から、主よ、汝を呼ばん」 BWV 131よりアリオーソ |
小川有紀 |
ロッシーニの狩りのホルンによる4連作より 「プレリュード」 「カリュドーンの猪」 ほか |
J. S. バッハ |
最愛なるイエスよ、我らここに集い BWV 730, 731 |
J. L. クレプス |
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A. deカベソン | 第6旋法のティエント、第一部および第二部 ほか |
今日のプログラムには年間を通して参加者に特に人気のあった作品や、今年生誕200年のR. シューマンの作品を選びました。またクリスマス前のこの時期(アドベント)にぜひお聞かせしたいJ.
S. バッハの作品と、フランスのクリスマス・キャロルも演奏します。 そして、締めくくりはホルンの飯島氏の登場です! モダン・ホルンとオルガンで織りなす20世紀のB. ライヒェルの響き。神々しい光を放つ音のシャワーを心と体いっぱいに浴びて下さい。(プログラム・ノートより)。
M. コレット |
神様がご決断なさった日 |
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B. ライヒェル | ホルンとオルガンのための教会ソナタ ほか |
J. S. バッハ | オルガン小曲集より、待降節から受難節の作品 |
いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV 599 | |
「みどり子ベツレヘムに生まれたり BWV 603 | |
かくも喜びあふれる日は BWV 605 |
古き年は過ぎ去りぬ BWV 614 | |
キリストは我らに至福を与え BWV 620 | |
おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV 622 ほか |
プログラムによせて
オルガンは、中世から今日に至る長い間、時代や国によってさまざまな特徴をもちながら生き続けてきました。この長い歴史の中で、とりわけ16世紀から18世紀にかけて、名器の誕生とともにすぐれたオルガン音楽が生まれ、その終局はまさしくバッハでした。今回のプログラムはサロン de アデルフィアのオーベルタンオルガンの特色も考え合わせた上、ルネッサンス・バロックのイタリア、ネーデルランド、フランス、ドイツ、そしてバッハへの旅に皆様をお誘いしたいと思います。 深井李々子
A.ヴァレンテ(a.1520-1582) | ロマネスカ |
作曲者不詳 |
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G.フレスコバルディ(1583-1643) | フランドル風バスに基づくカプリッチョ |
フランドル風バスに基づくカプリッチョ | ヴィヴァルディ氏によるコンチェルト ロ短調 |
J.F.ダンドリュー(1684−1740) | 復活日のための奉献曲「おお,息子ら、娘らよ」 |
G.ベーム(1661-1733) | アリア「イエス、汝はいと美しきかな」に基づくパルティータ |
J.L.クレプス(1713-1780) | 「われら皆唯一の神を信ず」 |
J.S.バッハ(1685-1750) | ファンタジーとフーガ ハ短調 BWV537 |
プログラムによせて
ヨハン・セバスチャン・バッハ (J. S. バッハ, 大バッハ) の長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-84)は、大バッハの息子たちの中で最も才能に恵まれた人物とされています。即興演奏を得意としたこともありフリーデマン自身はあまり作品を残しませんでしたが、歴史的背景などのさまざまな面から、今日は少しずつ彼にアプローチしてみます。当時の音楽家の活動のようすや、バッハ親子の人柄、普段の生活までもが垣間見えるようで、音楽がより面白く感じられるのではと思います。
小川有紀
J. S. バッハ | W. フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集より |
小プレリュード ハ長調 BWV 924a (フリーデマン作 ?) | |
小プレリュード ハ長調 BWV 924 (セバスチャン作) | |
シュテルツェル氏のパルティータ、J. S. バッハ作のメヌエット BWV929付き~オーヴァーチュア, イタリア風アリア, ブレ, メヌエット~ | |
リモージュの手稿譜より (1710-1725, 作曲者不詳) | プランジュ、2つのデュオ、トリオ、バス・ド・トランペット、半音階のファンタジー ほか |
2009年秋期
コンサート・シリーズは皆様の反応やご意見も参考に、少しずつ形を成していきますが、このところは特に、「アデルフィアならでは」の探求心あるやり方にこだわっています。例えば、A.
de カベソンのように、知名度が低くとも美しく、評価の高い作品は積極的に取り上げました。さらに「アデルフィアならでは」の今秋らしい取り組みとしては、「アデルフィアの風」と名づけて、コーラス・メンバーを新たに募集したことがあげられます。メンバーは楽しく、真剣に皆でサロン・コンサートを作り上げていきました。さてこの企画の今後は?……行方は風しだいです。
*第十三回 2009年10月3日(土)
今日は16~18世紀のスペインを中心に、ドイツとフランスの作品も取り上げます。まず、年代順にスペインの作曲家を三人続けてお聞き下さい。第一曲目はカベソン、16世紀の作曲家です。通常、日本の学校教育において西洋音楽史の古参として教えられるのはせいぜいが17~18世紀のJ. S. バッハくらいまでなのではないでしょうか?でも実際には西洋音楽の歴史はまだまだ深く、オルガンは2千年前から存在していました。オルガン音楽が楽譜として残されたのは14~15世紀頃からですが、そういったバッハ以前の古楽の清廉、質朴な味わいを、今日はカベソンで知って頂きたいと思います。
カバニーリェス、セイシャスと年代が下るにつれて、作品は現代のものにより形が近くなります。耳慣れたフレーズも多くなりますので、ここでスペインの作品を他の国のものと比較をしてみてはいかがでしょう。光かがやき誇り高くも、陽気で情熱にあふれたスペイン気質をご堪能ください(プログラム・ノートより)。
N. de グリニー |
舌よ歌え |
A. de カベソン |
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J. カバニーリェス | 第1旋法のパッサカリア |
C. セイシャス | ソナタ ハ長調 ソナタ ニ短調 (メヌエット付き) |
ドイツ音楽の伝統は「天にまします我らの父よ」の作品を聞き比べながら、味わってみましょう。「天にまします我らの父よ」とは由緒ある讃美歌の一つで、何人もの作曲家がそのメロディーを使って作品を書きました。彼らが音楽にこめた祈りをお聞きになって、皆様は何をお感じになられますか?
最後は、ホルン奏者の飯島さゆり氏にご登場頂きます。ハイドンの「ホルン協奏曲 第2番」は、親しみやすい作風からはちょっと想像しにくいのですが、演奏上では難所が続きます。飯島さんはその演奏に、現代の楽器より取り扱いの難しい面もある古いタイプの楽器"ナチュラル・ホルン"をあえて使用するとのこと。当時の音や空気をみなで体感するような、「意味ある演奏にする」ためだそうです(プログラム・ノートより)。F. メンデルスゾーン |
前奏曲 op.37-2 ト長調 |
F. J. ハイドン |
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J. S. バッハ | 小フーガ ト短調 BWV 578 |
*** | *** |
J. S. バッハ | 天にまします我らの父よ BWV 636 |
天にまします我らの父よ BWV 683 | |
F. メンデルスゾーン | ソナタ 第6番 ニ短調より |
(天にまします我らの父よ、の主題による) | |
F. J. ハイドン | ホルン協奏曲 第2番 |
F. メンデルスゾーン |
前奏曲 op.37-2 ト長調 |
F. J. ハイドン |
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J. S. バッハ | いざ来れ、異教徒の救い主よ BWV 599 |
J. S. バッハ | いざ来れ、異教徒の救い主よ BWV 659 |
*** | *** |
L. C. ダカン編曲: 小川有紀 | ノエル 陽気な羊飼いたちはどこに? |
C. フランク、編曲: 小川有紀 |
ノエル おや、お前さん、むくれてるの? |
J. L. クレプス | 親しき信徒たち、心弾ませ喜ぼう ほか |
*第十回 2009年4月3日(金)
オルガン・お話 |
小川有紀 |
F. クープランの「教区のためのミサ」はオルガン好きなら必ず知っている有名な作品ですが、彼がこれを書いたのは若干21歳のとき。この天才ぶり、また音楽家一族に生まれたという点から、クープランはよくJ. S. バッハと比較されます。バッハの「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」からは、バッハがフランスの装飾法に多大な影響を受けていたことがよくわかります。……M. デュプレはメシアンの師で、パリ音楽院の院長でありました。「ゆりかご」ではブルトン人の心の温かさ、優しさがゆったりと歌われます。一転して「糸を紡ぐ人」では、紡績工の機械音が目まぐるしく鳴り続けます。目まぐるしいだけでなく、潔く、前向きなモチーフで満たされているのは、かつてローマのカエサルに〔猪突猛進の勇ましい戦士〕と言わしめたブルトンの遠い祖先、ガリアの熱い血が暗示されているのでしょうか (プログラム・ノートから)。
主なプログラム
F. クープラン |
教区のためのミサより |
J. S. バッハ | おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV 622 |
M. デュプレ | ブルターニュ組曲より |
J. S. バッハ | コレッリのテーマによるフーガ ロ短調 BWV 579 |
ホルン |
飯島さゆり |
オルガン |
小川有紀 |
今日はJ. S. バッハの作品を取り上げて、暗い冬が明け春の訪れを喜ぶさま、そしてイースターのお祭りを素朴に楽しむヨーロッパの人々の生活感を味わって頂ければと考えています。オルガン・ソロの最後は、フランス・ブルターニュ地方に懐古の思いを寄せたM. デュプレの「糸を紡ぐ人」。近代の作品で、紡績工の機械音が目まぐるしく鳴り続けます。
後半は前回の大好評にお答えしてのコラボレーション、ホルン奏者の飯島氏にご登場頂きましょう! 演奏曲目はやはりフランス近代のG. フォーレ と C. サン=サーンスです。飯島さんはモダン、クラシカルの両分野で活躍されており、今日はピストン・ホルンを用いて下さいます。これは演奏法があまりに難しいため現代ではほとんど使用されなくなった楽器ですが、飯島さんは作品本来の味わいと魅力を十分に引き出したく、「あえてピストンで演奏する」とのことです
(プログラム・ノートから)。
主なプログラム
J. S. バッハ | 我らの救い主、イエス・キリスト BWV 665 |
M. デュプレ | |
G. フォーレ |
パヴァーヌ (ピストン・ホルン使用) |
C. サン=サーンス | アンダンテ (モダン・ホルン使用) |
*第十二回 2009年5月30日(土)
オルガン・お話 | 小川有紀 |
歌 | 松田正人 |
前半はフランスとスペインの聖霊降臨に関わる作品とその解説。後半はバッハで、参加者みなさまと共に歌とオルガンでプログラムを進めました。
「美しいタペストリー」とも評されるフランスのN. de グリニーの作品は、優美にかつ上品な華やかさをもって、慰めや愛、神秘を歌い上げます。スペインのA. de カベソン、J. カバニーリェスの作品からは、独自の文化を誇りとし、真っ直ぐに、澄んだ視線で天をあおぐスペイン人の気概や情熱を感じることができるでしょう。後半はJ. S. バッハの作品で、アルテルナティム(交互唱)という方法を用いて、歌とともにプログラムを進めます。…これを体験して頂くと、オルガンが歌とともに発展したこと、だからこそオルガンと人間の声は心地よく響き、溶け合うことが納得できると思います。さてこれらの試みによって、音楽を通じての豊かな交わりと精神の充実を願った本コンサートの意義が皆様に伝わりますかどうか (プログラム・ノートから)。
主なプログラム
N. de グリニー |
来たれ、創り主よ より |
J. S. バッハ |
|
天にまします我らの父よ BWV 683 | |
J. S. バッハ | キリエ、永遠の父なる神よ BWV669 |
J. S. バッハ | キリエ、聖霊なる神よ BWV674 |
F. メンデルスゾーン | ソナタ 第6番 ニ短調より |
(天にまします我らの父よ、の主題による) | |
F. J. ハイドン | ホルン協奏曲 第2番 |
*第七回 2008年10月18日(土)
オルガン・お話 |
小川有紀 |
本サロンのオルガン「ベツレヘムの星」は、バロック期の作品演奏にふさわしい楽器として作られました。そのコンセプトに忠実に、今日の一曲目にとりあげますのはJ. S. バッハのコラール作品、つぎにフランス古典期からL. ルベーグの組曲が続きます。小型ながらさまざまな音色変化に対応し、力を発揮するのが「ベツレヘムの星」の自慢です。とくにルベーグでは、二段鍵盤の楽器ながら、三段鍵盤と同じ音色効果を感じていただけるように音を作りましたので、注目していてください(プログラム・ノートから)。
主なプログラム
N. - L. ルベーグ |
プラン・ジュ、 デュオ、 フーガ、エコー |
J. S. バッハ | |
G. ベーム |
今や聖霊に祈らん |
O. メシアン | ペンテコステのミサより「コミュニオン、小鳥と泉」 |
*第八回 2008年11月3日(祝日)
オルガン・お話 |
小川有紀 |
本日のプログラムの副題は「待降節」です。待降節とはキリスト教世界の暦の一つで、クリスマスの訪れを待つ時期です。本来、待降節は11月末から12月上旬の日曜日からになりますが、今回は少しカレンダーを先取りして、待降節とクリスマスのオルガン作品を続けて聞き、音楽を物語として楽しみたいと思います(プログラム・ノートから)。
主なプログラム
M. ヴェックマン | パルティータ 「やさしい眼差し」 |
J. S. バッハ | |
O. メシアン |
主の降誕より「羊飼いたち」 |
A. P. F. ボエリ | 幻想曲とフーガ 変ロ長調 |
*第九回 2008年12月5日(金)
ホルン |
飯島さゆり |
聖書朗読 | |
オルガン・お話 |
小川有紀 |
今日はホルン奏者をお迎えし、オルガンとのコラボレーションをお聞かせしたく思います。テーマは、「参加者皆さまと創るクリスマスの音楽物語」です。
クリスマスの日、貧しい羊飼いたちの目の前に天使が大群であらわれて、救い主が生まれたことを告げ、喜びの歌をうたいます。その天使の神秘をあらわしたのがO. メシアンの作品で、羊飼いの驚きと恐れ、また天使たちの圧倒的な力が、音のうずとなって私たちに迫ります。次に鳴るのは、牧場をイメージしてホルンの音。賛美歌は、良き知らせを感謝する羊飼いの祈りです。J. S. バッハの「みどり子ベツレヘムに生まれたり」では、伴奏声部がゆらゆらと揺れて、幼子のゆりかごの様子をあらわします。「いと高きところの神にのみ栄光あれ」はまさに天使たちが歌った内容となっており、バッハの作品では朗らかに気高く、音は天をめざして上っていきます。これに対してフランスのM. コレット、C. バルバストル、A. ギルマンの作品は、ただ、ただ素直に喜ぶ民衆のクリスマス・ソングがもとになっています。私たちもこれに続いて「牧人ひつじを」を歌い、一足はやいクリスマスをご一緒に楽しみましょう。そして今日の最後は、「Ite…(行け!)」と題された20世紀のB. クロルの作品。音楽で心満たされ、また明日から力強く「行け!」と歩むことができますよう、精一杯演奏したいと思います(プログラム・ノートから)。
主なプログラム
O. メシアン |
主の降誕より「天使たち」 |
賛美歌演奏(ホルン) |
|
J. S. バッハ |
みどり子ベツレヘムに生まれたり BWV603 |
賛美歌演奏(ホルン) | いと高きところの神にのみ栄光あれ |
J. S. バッハ | いと高きところの神にのみ栄光あれ BWV663 |
C. バルバストル |
ブルゴーニュ地方のノエル |
A. ギルマン | 羊飼いさん、おまえたちはどこからやって来た? |
合唱(全員) | 牧人ひつじを |
B. クロル(ホルン&オルガン) | Ite… ほか |
昨年秋のスタイルを引き継ぎながら、さらに内容を充実させたいと思いました。今年らしいテーマ作りをと考え頭に浮かんだのが、フランスのO. メシアン。今年100周年を迎える20世紀最大のオルガン作曲家の一人です。「ベツレヘムの星」は基本的
にはバロック音楽の演奏に向いていますが、プログラム構成を練り、オーベルタン
社独特のやわらかな音色Portunal や Bourdonの神秘的な響きを生かすことができればメシアンの音楽をお聞かせすることも可能と判断。各回、小品一曲だけですがメシアンの作品をプログラムに織りこむことになりました。さてさて「ベツレヘムの星」によるメシアン、みなさまの反応はいかがでしたでしょう??
「メシアンの「父にむかいて昇天するキリストの祈り」ははじめて聴きましたが、非常に神秘的な響きに天窓が開けていくのを感じながら聴かせていただきました。もう一度聴きたいです」
「”聖霊の意味”、”水と鳥” とても興味深く伺いました」
「メシアンは良くわからない曲というイメージしかなかったのですが、水と鳥のお話を伺い、改めてすばらしさを教えていただきました」。(いずれもコンサート後のメッセージ・カードより抜粋) v (*^_^*)v
*第四回 2008年3月29日(土)
オルガン・お話 小川有紀
前半ではそのバロック期からオランダ、フランス、スペイン、ドイツの作品。後半では教会で発達したオルガンらしく、イースター(復活祭)に関わる作品を演奏。2008年はこの日のコンサートの直前、3月23日の日曜日がイースターのお祭りでした。
主なプログラム
J. P. スウェーリンク |
パラティーノの丘 |
N. de グリニー | |
J. S. バッハ |
おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV 622 |
O. メシアン | 父にむかいて昇天するキリストの祈り 「父よ、…わたしは御名を現しました…わたしはもはや世にはいません。彼らは世に残りますが、わたしはみもとに参ります。(ヨハネによ る福音書17章、イエスの祈り)」 |
ほか
今年は3月23日の日曜日がイースター(復活祭)、5月11日がペンテコステ(聖霊降臨祭)となっています。クリスマスとならぶ教会の三大祝日です。コンサートではペンテコステの説明も行いました。オルガンだけでなく、ピアノ曲、管弦楽曲、交響曲といったいわゆるクラシック音楽は教会音楽から派生していますから、教会の知識があれば、それまで気づかなかった芸術作品の違う側面が見えてきてより楽しいのではと考えています。「天に恵みと平安を乞い、祝福ある生を願う気持ちは世界中どこでも同じとJ. S. バッハの作品は能弁に私たちに語りかけてくれます」。(プログラム・ノートから)
主なプログラム
J. P. スウェーリンク |
パラティーノの丘 |
L. マルシャン | |
J. K. ケルル |
かっこう |
J. S. バッハ |
おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け BWV 622 |
ほか
*第六回 2008年6月13日(金)
オルガン・お話 小川有紀
今日のコンサートの後半のテーマは「聖霊」です。去る5月11日は教会の三大祝日のひとつペンテコステ(聖霊降臨祭)で、いまの時期は聖霊降臨節と呼ばれています。この暦を教会暦といいますが、これをふまえ一年を通じて季節感あふれる音楽を提供するため、オルガン作曲家たちはさまざまな工夫をしてきました。
オルガンだけでなく、ピアノ曲や交響曲といったいわゆる西洋音楽は教会音楽から派生しています。演奏の合間には、これら世俗音楽と教会音楽とのつながりを「水」と「鳥」にポイントをあてながら、お話してみたいと思います。それまで気づかなかった芸術作品の違う側面が見えてくるかもしれません。その手引きとして、今年生誕100年を迎えた20世紀・クラシック界最大の作曲家の一人、O. メシアンの小品をとりあげます。
心を知り文化を味わう。その締めくくりに選んだのは、ドイツのG. ムファットの作品。「ベツレヘムの星」による、音の七変化をお楽しみください。(プログラム・ノートから)
主なプログラム
N. de グリニー |
来たれ、創り主よ より「5声のフーガ」 |
J. S. バッハ | |
O. メシアン |
ペンテコステのミサより「コミュニオン、小鳥と泉」 |
G. ムファット | トッカータ 第7番 |
どきどきのスタートでした。みなさまの笑顔に支えられ07年秋は全三回、無事終了。いずれはほかのオルガニストの方々もお招きして、色
々な演奏スタイルをみなで味わいながら広く文化交流を行いたいと思っています。そのためにはまず、会の基礎を整えなければ。それまで何とかがんばろうと思っています。
*第一回 2007年9月24日(祝)
オルガン・お話 小川有紀
「ベツレヘムの星」は、バッハを中心としたバロック期の作品演奏にふさわしいこと、バッハの作品の中でも特に「トリオ・ソナタが美しく響くこと」かつ、「フランス古典期の作品に対応できるディスポジションであること」などの希望にもとづき製作されています。第一回目の演奏にはコンセプトに忠実にJ. S. バッハのトリオ・ソナタ、N. de グリニーなどの作品を選びました。
主なプログラム
J. S. バッハ
トリオ・ソナタ ト長調 BWV530
クラヴィーア練習曲集第三部より
「キリエ、永遠の父なる神よ BWV669」
「キリエ、聖霊なる神よ BWV674」
「いと高きところの神にのみ栄光あれ BWV677」
「天にましますわれらの父よ BWV682」
C. B. バルバストル「ミュゼット」 ほか
*第二回 2007年11月2日(金)
オルガン・お話 小川有紀
オランダ、ドイツ、フランスの作品を選びました。2007年は、12月の第一日曜からが待降節(= アドヴェントAdvent, クリスマスを待ち望む季節)でした。待降節にちなんだ作品「いざ来れ、異教徒の救い主よBW659」の楽曲解説と演奏を行いました。
主なプログラム
J. P. スウェーリンク |
大公の舞踏会 |
J. S. バッハ | |
E. ジグー |
コミュニオン |
N. de グリニー | 来たれ、創り主よ より 「グラン・ジュのディアローグ」 |
*第三回 2007年12月8日(土)
聖書朗読 押田恭子
「聖書の物語とともに」と題された聖書朗読とオルガンのコラボレーション。音楽を歴史的背景や思想からまるごと味わって頂くのがねらいです。オルガン作品、聖書箇所とも、待降節とクリスマスに関するものを選びました。参加者はクリスチャンの方が2、3名のみ。あとの未信者の方に聖書の言葉は重いかなぁと気にしていましたが、「背景の説明があったほうが楽しいから」との感想があり、ほっとしました。みなで一足早いクリスマスをともに過ごしました。
主なプログラム
J. S. バッハ
いと高きところの神にのみ栄光あれ BWV676
いざ来れ、異教徒の救い主 BWV 659
いと高きところの神にのみ栄光あれ BWV 663
聖書の物語とともに
L. C. ダカン |
ノエル集より 「第11番 ティエルス・アン・タイユ」 |
M. コレット | |
A. ギルマン |
N. サボリの歌によるノエル |
A. P. F. ボエリ | 幻想曲とフーガ 変ロ長調 |
オレンジのムース
(コンサートご参加の方の手作り品)