木村泌尿器皮膚科

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超音波医学会専門医。腎尿管結石・排尿障害の診断が得意です。 ここは、院長ブログの原稿倉庫です。

アボルブ開始後6カ月のPSA値をNadirとしたJ.Urol論文


The Effect of Dutasteride on the Usefulness of Prostate Specific Antigen for the Diagnosis of High Grade and Clinically Relevant Prostate Cancer in Men With a Previous Negative Biopsy: Results From the REDUCE Study

Gerald L. Andriole,on behalf of the REDUCE Study Group

THE JOURNAL OF UROLOGY Vol. 185, 126-131, January 2011

アボルブ投与中のPSAの変化をどう解釈し、いつ生検すべきか、 REDUCE Studyのデータを基にした研究です。 JOURNAL OF UROLOGYの2011年1月号に載った論文です。

アボルブ投与後6カ月のPSA値をNadirと定義して検討したものです。 プラセボ群はエントリーから6カ月のPSA値をNadirと定義したことになります。

4年後(Nadirから3年半後)のPSAがNadirより上昇した人は、 アボルブ群で29%、プラセボ群で72%でした。

アボルブ群でPSAが上昇したグループには癌患者の比率(30.6%)が、 プラセボ群でPSAが上昇したグループ(25.7%)より高かった。

アボルブ投与開始後6カ月のPSA値を基準とし、 PSAがそれ以上になったら、癌、それも悪性度の高い癌が潜んでいる可能性が高い。

著者たちは、アボルブ投与開始後6カ月のPSA値をNadirと定義したことを、 この論文の制約(limitation)と指摘しています。

このグループはその後、BJU Internationalに別の論文を発表しています。 そちらはすでに5月のブログで紹介済みです。

興味深いのは、講演会でしゃべる先生たちは、このJournal of Urologyに載った研究を紹介するのに、 アボルブのメーカーのパンフレットにはBJU Internationalのほうが印刷されて紹介されています。 BJU Internationalという雑誌は以前はBritish Journal of Urologyという名前でした。

Journal of Urologyよりちょっとだけ格下の雑誌です。 ゴルフの世界でThe Openと言えばイギリスのこと、アメリカはU.S. Openと言うのとは逆ですね。

木曜日の勉強会の内容は明日のブログで。今日のブログはその前座のデータ。

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2013年11月24日の院長ブログ原稿


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