木村泌尿器皮膚科

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超音波医学会専門医。腎尿管結石・排尿障害の診断が得意です。 ここは、院長日記の倉庫です。

アボルブ昼の勉強会



昨日の昼休みは、前立腺肥大症治療薬アボルブの勉強会でした。


今半の「もみじ」弁当をいただきながら。

シドニーのランチョンセミナーよりやっぱり日本食がいいです。

アボルブはここで予習した通り、前立腺を3割縮小させます。

昨日勉強になったのは、

前立腺体積が大きい症例ほど、早く効果が出ること、

添付文書に「前立腺が肥大していない症例での有効性は証明されていない」と書かれていること、

でした。

アボルブは前立腺肥大症治療薬ですから、

「前立腺が肥大していない症例」って、それは前立腺肥大症ではないじゃん、

アボルブは使えないじゃん、

と思われるでしょう。

ハルナールが発売されてから前立腺肥大”症”と前立腺の肥大とは、イコールでなくなったのです。

前立腺の体積の正常範囲は20ml。

でも、前立腺体積が20mlでも尿の出にくい人はいて、ハルナールが効きます。

前立腺の筋肉が凝り固まっていると、前立腺体積が20mlでも、尿道は狭くなります。

前立腺の筋肉をほぐすハルナールを飲むと尿の勢いがよくなります。

ハルナールが発売されてから、

前立腺の筋肉が凝り固まっているのを、機能的前立腺肥大症、

前立腺が肥大しているのを、器質的前立腺肥大症、

と説明するパンフレットもあります。ガイドラインには載っていない言葉だと思いますが。

日本でのアボルブの治験は前立腺体積が30ml以上の症例で行われたので、

添付文書に「前立腺が肥大していない症例での有効性は証明されていない」という記載がついたわけです。

アボルブについてのさらに詳しい説明は、10月18日のブログに続きます。17日に講演会があるので。

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