特殊形の膿皮症
日曜も木曜も雨だったため、3月以降たまり気味だった「皮膚科の臨床」の6月号までのすべてに目を通す事ができました。
この中で、不思議な病名と思った症例報告があります。
真菌感染症と見分けがつきにくい(として海外の雑誌で報告された)皮膚細菌感染症の話。
その珍しい病名が糖尿病に発生した、という報告。
Blastomycosisは北米にしかない真菌(カビ)感染症。
Blastomycosisのように見えて、実はブドウ球菌感染症(トビヒと同じ)だった病気を7例集めて、1979年に、
Blastomycosis-like pyoderma(Blastomycosisみたいな膿皮症)という病名をつけた人が(海外に)いるようです。
で、皮膚科の臨床に出ていたのは、糖尿病に発生したBlastomycosis-like pyoderma。
糖尿病の人はいろんな感染症を起こします。皮膚の感染症もよく起こります。
普通ならトビヒを起こすだけのブドウ球菌も、糖尿病の人の時は、皮下に侵入し、皮膚が盛り上がって見えることもありえます。
日本にはそもそもBlastomycosisがないのだから、Blastomycosisみたいにみえる膿皮症なんて病名をつける必要があるんでしょうか?
糖尿病をコントロールしながらクラビット内服とゲンタシン軟膏の塗布で治った膿皮症。
「糖尿病を合併したBlastomycosis-like pyodermaがこれまで本邦、欧米の文献で1例しか見当たらないのは意外」と言われても、
海外の論文をよく読んでるな、とは思っても、
「〇〇という病気にそっくりだった××」みたいな病名は、症例報告のためだけにあるような病名だと思うのですが。
ところで娘の学会デビューはいつでしょう?
娘のデビュー演題が「〇〇という病気にそっくりだった××」だったら、この記事は削除です。
[戻る]