ここでは、JAPAM(社団法人日本クラシック音楽マネジメント協会)発行の季刊誌 encore 6 (1998 Spring)に掲載されました記事をもとにした私見を掲載しております。
(2018年11月22日の更新は、スマホにも対応出来るよう体裁を変えただけで、内容は、1998年掲載時のままです。)
- JAPAM主催 第2回フェスティバル開催
「クラシックはいかが?〜25歳以下の若い人のためのコンサート」
記事概要
この記事には、1998年3月29日(日)に開演されましたコンサートに関する斎藤珠理(朝日新聞学芸部記者)さんの批評と編集部の聴衆に対するアンケート結果の紹介が含まれております。
このコンサートにつきましては、以前このサイトでも紹介しました。
コンサート批評
斎藤さんの記事は、全体的に好感が持てました。ただ、コンサートの内容に関しましては、実際に聞いたわけではありませんので、斎藤さんの批評に同意できるかどうかは、なんとも言えません。
プログラムに対して無料だったのは評価できる。ただ、せっかくの企画の趣旨や意図が、どこにも説明されていない。と書かれておりましたが、これに関しましては、もしそれが事実なら、事務局の手落ちではないかと思います。 このコンサートの案内チラシには企画の趣旨や意図が書かれていましたので、事務局としては、コンサートに来た人は当然知っていると思われているのでしょうが、大事なことは、機会がある毎にしつこいくらい説明したほうが良いと思います。
また、クラシック音楽に興味を持った人への情報提供も欠けている。・・・(中略)・・・この演奏会で何かを感じてもらえたら「鉄は熱いうちに打て」。すぐ次の演奏会への橋渡しをしなければ、この企画は意味を持たない。とも書かれています。
斎藤さんが指摘されていることは、クラシックのコンサートによく行く人と、ほとんど行ったことが無い人では、情報の内容や提供方法を変えなければいけないということだと思います。これは、他人事ではないと考えさせられる言葉です。
企画意図は達成されたか - アンケートに見る聴衆・観客の反応
ここには、アンケートの集計結果と個別に記入された感想文の中から、編集部が抽出した感想文が2ページにわたって掲載されていますが、表題の企画意図は達成されたかに関する主催者側あるいは編集部の考えは紹介されていないため、読者が勝手に判断しろと言われているように感じます。
そこで、以下、私が勝手に読み取っていこうと思います。
- アンケート回答状況(総入場者数 1,691人)
- 回答:
- 600人(35.5%)
- 未回答:
- 1,091人(64.5%)
この種のアンケートで、3人に1人以上が回答したことは、一応評価できると思いますが、ただ、回答した人としなかった人では、かなり傾向が異なるのではないかと思われますので、いわゆる無作為抽出によるサンプリング結果と同様に統計的に扱って良いかどうかは別でしょう。
- 性別
- 女性:
- 72.3%
- 男性:
- 24.3%
- 不明:
- 3.3%
女性に比べて男性は、アンケートに非協力的なのかも知れませんが、クラシックに限らず、コンサート会場には、男性の数が少ないですね。
- 年齢
- -19歳:
- 36.3%
- 20-25歳:
- 46.7%
- 26歳-:
- 17.0%
83%が25歳以下なので、このコンサートの狙いの一つは、ほぼ達成されたようです。 それにしても25歳を超える人は、小学生以下の児童の保護者しか認めないというのに、小学生 8.5%(下表参照)に対して、26歳以上が17%もいるのは非保護者よりも保護者の方が多い?
- 職業
- 小学生:
- 51人( 8.5%)
- 中学生:
- 46人( 7.7%)
- 高校生:
- 42人( 7.0%)
- 学 生:
- 201人(33.5%)
- 会社員:
- 102人(17.0%)
- 公務員:
- 9人( 1.5%)
- 主 婦:
- 38人( 6.3%)
- 無 職:
- 3人( 0.5%)
- その他:
- 49人( 8.2%)
- 不 明:
- 59人( 9.8%)
3人に1人が学生というのは、実態なのか、学生は、アンケートに真面目に答えるからなのかは、分かりませんが、本来の狙いからすれば、高校生以下にももっと来てもらいたいように思います。
- 居住地
- 都区内:
- 189人(31.5%)
- 都下市:
- 58人( 9.6%)
- 神奈川:
- 121人(20.2%)
- 千 葉:
- 44人( 7.3%)
- 埼 玉:
- 51人( 8.5%)
- 地 方:
- 18人( 3.0%)
- 無記入:
- 119人(19.8%)
会場が渋谷なので、このような数字になるのは仕方が無いと思います。
対象者を多く集めるには、人口密度から言えば、開催地を東京とすることが良いのかもしれませんが、1,600人位なら地方都市でも可能ではないかと思います。
クラシック音楽を聞く人を増やすのが目的なら、我々のような草の根の力も使えば良いと思うのですが、音楽事務所関係者にはそんな気は更々無いようです。
私は、メールアドレスを公開していてウェブサイトを持たない全ての音楽事務所に協力を申し出るメールを出しましたが、回答は皆無でした。断りのメールも来ないのです。要するに、商売に素人が首を突っ込むなとでも言うのでしょうね。
- このコンサートを何でお知りになりましたか?
- チラシ:
- 60人(10.0%)
- ポスター:
- 54人( 9.0%)
- 新 聞:
- 86人(14.3%)
- 雑 誌:
- 84人(14.0%)
- プレイガイド:
- 22人( 3.7%)
- 知人から:
- 253人(42.2%)
- その他:
- 35人( 5.8%)
- 不 明:
- 6人( 1.0%)
音楽事務所関係者の人たちは、この結果をどう見るのでしょうか?
ご覧の通り、知人からがダントツの数字を示しているのです。
口コミがマスコミより威力を発揮しているのです。もちろん、チラシやその他の広告媒体も必要だとは思いますが、インターネットも馬鹿にならないと思います。 確かに、インターネットの普及率は、新聞・雑誌とは比べものにならないほど小さいと思いますが、インターネットの利用者には、他人への影響力の大きい積極的な人が多いので、このような情報伝達に、もっとインターネットを利用すべきだと思います。
- 本日のコンサートは楽しかったですか?
- は い:
- 513人(85.5%)
- いいえ:
- 2人( 0.3%)
- 普 通:
- 25人( 4.2%)
- その他:
- 13人( 2.2%)
- 不 明:
- 47人( 7.8%)
数字の見方はいろいろあるとは思いますが、この面では、まず大成功!主催者に、おめでとうございましたと言いたいと思います。
- 内田春菊さんのイラストについて
(略)
- 料金を自己申告制にしたことについて
- いいアイデアだ:
- 471人(78.5%)
- 混乱した:
- 61人(10.2%)
- その他:
- 41人( 6.8%)
- 不 明:
- 27人( 4.5%)
お金を払って会場に入ったということは、一応納得したわけで、「いいアイデアだ」と言う回答が多いことに、あまり意味はないと思います。
それより、混乱した人が10%を超えていることが問題だと思います。自己申告制であることが問題なのではなくて、申告する基準があいまいなことが問題だと思います。
具体的には、クラシックコンサートによく行く人、はじめて行く人と言う分けかたでは、よくは行かないが始めてでもない人は、どうするのでしょうか?
- 25歳以下の入場制限を設けたことについて
- いいアイデアだ:
- 370人(61.7%)
- 混乱した:
- 62人(10.3%)
- その他:
- 122人(20.3%)
- 不 明:
- 46人( 7.7%)
この設問の選択肢として「混乱した」を設けて、「良くないアイデアだ」を設けないのはおかしいと思います。
記述式の回答にも年齢制限に対する不満が見られますが、クラシック音楽を楽しむ人を増やすという狙いからすれば、年配者でも良いわけで、若い人には先があるが、年寄りには無いと言うような狭い考えはまずいと思います。
両親や祖父母がクラシック音楽を楽しんで聴いていれば、子や孫たちも自然にクラシック音楽に親しむことになると思います。
そこで、私の提案
- これまでにクラシック音楽の楽しさを感じることが出来た人:3,000円
- そうではない人:1,000円
- 高校生以下は無料
この基準では、私は、当然、3,000円の対象ですが、あのようなコンサートなら、5,000円でも行くと思います。 そんな人には来てもらいたくなかったら、3,000円の代わりに1万円くらいにしても良いのかもしれませんが、料金を上げるより、クラシック初心者を同伴するよう条件を付けても良いかもしれませんね。
- どの曲が楽しかったですか?
- 序曲「1812年」:
- 274人(45.7%)
- 「我が祖国」より「モルダウ」:
- 77人(12.8%)
- ワルツ「春の声」:
- 49人( 8.2%)
- 「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲:
- 34人( 5.7%)
- 「牧神の午後への前奏曲」:
- 27人( 4.5%)
- 「ダフニスとクロエ」第2組曲:
- 23人( 3.8%)
- 「ポーギーとベス」より「サマータイム」:
- 11人( 1.8%)
- 「ルスランとリュドミラ」序曲:
- 10人( 1.7%)
- 不 明:
- 72人(12.0%)
序曲「1812年」の演奏は、全体的に辛口の批評をされていた斎藤さんも手放しの絶賛、記述式のアンケートの回答にも感動したという記述が多かったので、大成功!だったのでしょう。
「我が祖国」より「モルダウ」に関しましては、記述式回答で、8歳の男子が、「モルダウ」の曲、聴いたことあります。モスラ対バトラの改造版です。と書いています。
「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲が高い評価を得ているのは、珍しい楽器(ツィンバロン)が使われたからだと思います。
ただ、11歳の女子の感想に、曲はどれもつまりませんでした。それにこういう場合、「どの曲が楽しかったですか」と言うより「どの曲が好きですか」のほうが良いと思います。 と書いていますが、「楽しい」では「悲しい」曲で感動した場合の答え方に困るからと言うことではなく、この回答者は、讃美歌が好きだけれど讃美歌を聴いて楽しいかと聞かれた場合のことを考えているようです。
- クラシックのコンサートにはよく来られますか?
- はじめて:
- 181人(30.2%)
- 数 回:
- 246人(41.0%)
- 10回以上:
- 152人(25.3%)
- その他:
- 10人( 1.7%)
- 不 明:
- 11人( 1.8%)
初めての人が少ないのは、失敗ではなかったかと思います。
主催者の話では、ほとんどが 1,000円(はじめて)の人だとのことでしたから、この回答は、何?
- 「クラシックはいかが?」の第1回目には来られましたか?
- いいえ:
- 93.7%
- は い:
- 6.0%
- 不 明:
- 0.3%
前問で、「はじめて」の人が30%しかいないのに、第1回目から続けて来た人が、6%しかいないと言うことは、第1回目が、コンサートに来る人を増やすのに失敗したのではないのでしょうか?
- 普段どんな音楽を聴きますか?[複数回答可]
- 歌謡曲:
- 182人(30.3%)
- ポップス:
- 382人(63.7%)
- ロック:
- 166人(27.7%)
- ジャズ:
- 130人(21.7%)
- クラシック:
- 406人(67.7%)
- その他:
- 59人( 9.8%)
- 不 明:
- 16人( 2.7%)
なんと、来場者3人のうち2人もクラシックを普段良く聴いているのです。
クラシック人口を増やすと言う意味では、大失敗!だとしか言えないのではないでしょうか。もっとも、CDなどでは聴いていても生は始めてという人もおられたでしょうが・・・
- このような企画があったら、また来たいと思いますか?
- は い:
- 542人(90.3%)
- いいえ:
- 4人( 0.7%)
- わからない:
- 47人( 7.8%)
- 不 明:
- 7人( 1.2%)
これまでの回答を見る限り、この豪華メンバで、この料金なら安いから来たのだということがほぼ明らかだと思います。
この意味では、失敗と言えるのではないでしょうか。尤も、クラシック音楽を楽しむ機会を増やすと言う意味ならば、成功だとは思いますが・・・
- アンケート結果を通しての感想
このコンサートは、単にクラシックのコンサートとしてみれば、大成功!だったと思います。
しかし、企画の意図は達成されたかと言われれば、達成されたとは言えないと言わざるを得ません。
この企画の意図を達成することは大変困難であることは理解できます。だからと言ってこのあたりで安住してもらいたくはないのです。もっとアイデアを出し、議論もして、さらに高い段階に達するように努力して頂きたいと思います。
一つの方法として、クラシック音楽の楽しみを知っている人に、そうでない人を連れてきて頂くことも考えればどうかと思います。その例の一つとして、親子で来る機会を増やすような運動も考えられると思います。
コンサートに子供を連れて行くことに反対する人がおられますが、子供が、公衆の場でのマナーを守らないのではなく、大人がマナーを教えないのが問題だと思います。先日、X JAPAN の hide 氏の葬儀があったとき、大人である報道カメラマンのマナーを知らない連中が、食べ散らかした弁当箱や、路上に捨てたフィルム・ケースを、hide のファンである子供たちが、黙々と片づけていました。要は、躾の問題でしょう。
また、資金的な面では、大企業に頼ることも必要だとは思いますが、我々ボランティアの力も旨く使うべきだと思います。
- テーマ&トーク「聴衆・観客拡大のためのマーケティング」
記事概要
この記事と次の記事は、1998年2月16日から18日までの3日間開催されました舞台芸術フェアの催しの一部を報告されたものです。
このテーマ&トークは、標題のテーマについて、JAPAMが調査した報告書「クラシック音楽コンサート市場活性化のための調査研究報告書」を元に報告・意見交換されたことを要約したものです。 報告者は、実際に調査を担当された文化科学研究所の高橋利枝さんとJAPAMアート・マネジメント委員会の原源郎さんです。
ここに記された内容を、私なりに2つの項目に再要約し、私見を述べたいと思います。
マ−ケティングの基本
<記事要約>
聴衆拡大を考える場合、供給者側の視点が強く働き、受容者側の実態が把握されてこなかった。この調査が対象とした地方公共ホールでは、初心者向けのプログラムを組むことが多いが、若い人が集まらないと言う。 広報活動として、「市報」に載せる、コンサートに来た人にチラシを配るなどしているが、若者は、「市報」を見ないし、コンサートに行かない人は、チラシも入手できない。そこで、「クラシック・ファン」の人数、情報源、チケット入手先などの実態を明らかにすることが重要。
- 聴衆の数の把握
- 聴衆のタイプ(類型)
- タイプごとの課題、問題点
- コンサートに来てもらう対象の特定
- その優先順位
<私見>
この問題は、数十年前に製造業で言われていたことと基本的に同じだと思います。この業界では、マーケティングらしいことはやってこなかったと言うよりも、公共機関を相手にしているからで、公共機関は、本来マ−ケティングなどやらないので分からないだけではないかと思います。
商売するなら、自分が売りたいものを買ってくれそうな見込み顧客について良く調べ、そのお客さんにあわせて、買って頂く努力をするのは、マ−ケティングの基本中の基本でしょう。
何を今更、と言う感じがしないわけではありませんが、これが実態なら、この実態を前提にして考えなければならないと思います。
クラシック・ファンのタイプ
<記事要約>
聴衆の動向を把握して、セグメント化するために、クラシック・コンサートのチケット購入経験者対象のアンケート調査を実施(700人中、416人回答、回答率 59.4%)した。チケット購入の頻度によりA〜Eの5グループに分けた。
チケット購入回数 | マ−ケティング上の位置づけ |
A | 年25回以上 | コンサートに極めて熱心で、西欧諸国と同じ雰囲気、システムを求めるが、目は、クラシックを知らない人には向いていない。ニーズは、チケットをもっと安く、良い席へのこだわりが強い。
オピニオンリーダとして周囲を引き込んでもらう仕掛けを作る。 |
B | 年13〜24回 | 男性の比率が最も高い(5割強)。有名な出演者に引かれる。ニーズはもっと安く、もっと開演時間を遅く。Aより若く、忙しい。お金もそう無い。
阻害要因が明確なので、それを取り除けば回数増加を見込める。 |
C | 年7〜12回 | 社会参加型で友人も多い。B同様、有名な出演者に引かれる。ホールへの依存度が高い。近くにホールができ、情報が入るようになってから行くようになった。 |
D | 年3〜6回 | Cより少し消極的 |
E | 年0〜2回 | 有名なアーチストでも、曲名・場所・時間を知らせても、ほとんど行かない。
数が多いのが魅力。働きかけ方と知らせ方を考えることだ。 |
<私見>
コンサートに来てもらう聴衆を調査するのだから、チケット購入回数で分けるのは、素直な分け方だとは思いますが、本来の趣旨からすれば、クラシック・コンサートのチケットを購入したことが無い人についても調べてもらいたかったと思います。
ここでは、一応網羅的に調べており、どこかのセグメントを重点的に検討する、すなわち、優先順位には触れられておりませんが、公共ホールとしては、少なくともC以下、できれば、Eか、この調査の対象外の1度もコンサートに行ったことが無い人に対する対策を考えるべきではないかと思います。
そんな目で、上の表を見ますと、「有名なアーチストでも、曲名・場所・時間を知らせても、ほとんど行かない。」人への対策として、「働きかけ方と知らせ方を考えることだ。」では、解決にはならないと思いますが、いかがでしょうか? このような対策は、情報が入って、会場が、そう遠くでなければ行きそうな、Cあるいは、C予備軍の人たちには、利き目があるように思います。
ここまで調べられたのなら、E及び、その外側の人たちについて、さらに突っ込んだ調査をされることを期待したいと思います。
- セミナー「民間資金を得るためには・民間助成財団の場合」
この記事を取り上げた狙い
実際にコンサートを開催しようとする人以外には、役に立たない記事のように思われるかも知れませんが、良い音楽を安く聴けるようにするには、そのようににする仕組の一端を知ることも必要だと思いましたので、ここに取り上げました。
個別の会社や個人から直接、経済的な支援を得る以外にも方法があることを学ぶことが狙いです。この記事内容に関しましては、あえて私見は述べません。
記事概要
この記事は、表題のテーマに関して、(財)セゾン文化財団の片山正夫さんと久野敦子さんが講演された内容を要約したものです。内容は、財団法人とは何か、から始まり、助成財団なかでも芸術文化関係の助成財団の活動についての説明されています。 次に、財団に助成を申請するためのノウハウについて語られています。
財団とは何か
財団とは、次のように定義される。
- 財産の集まりである(社団法人は、人または法人の集まり)
- 法人格をもっている
- 非営利である(利益を上げても良いが、その利益を配分してはいけない)
- 公益目的がある(人権、環境保護、芸術支援、福祉など)
財団には、事業型と助成型がある。コンサートを自ら主催したりするのは事業型で、第三者の事業を経済的に支援するのが助成型である。
全国に1万3千ある財団のほとんどが事業型財団で、助成型財団は、千から2千ほどしかない。その内3割が、地方自治体の公的資金による財団で、残りが民間資金による財団である。 芸術文化活動への民間の助成財団は、23団体あるが、このうち22団体が音楽分野を助成対象としている。
助成の現状
財団の収入源は、利息である。現在のような低金利下では、助成できる金額が少なくなる。
財団には、文書によって定められた目的・使命があり、これを踏み外すことは出来ない。財団にとっては、いかに効率的・効果的にこの使命を達成するかが課題となる。
(この後、セゾン文化財団の具体的な例が紹介されていますが省略します。)
助成の申請
助成の申請を行うには、まず、自分の企画の中身を確認して、どこの財団に持っていけば良いかを調べる。財団についての情報を得るには、(財)助成財団センターに行くこと。また、「メセナ白書」(企業メセナ協議会)も役に立つ。
自分のやりたいことは明確だが、相手(財団)の目的・使命を知らないケースが多い、相手を良く知り、どこをついたら落ちるかを考える。
(相手を調べる具体的な方法、優れた企画書の条件、財団との接触方法が詳しく紹介されていますが省略します。)