エデンの園のお話なのだ

はじめに神は天と地を創造された。神は「光あれ」と言われた。

神が天地創造してアレ作って、コレ作って、人間作って、最終的には人間はそこからおっぱらわれてしまうのだー。…と、言うのは割とメジャーに知られている事だと思うのですが、天使はいつからいたのか、あんまりはっきりしていませんねぇ。
何と驚き。天使は天地創造の第一日目辺りからいたみたいです。


さて、神が最初に創った男ははアダムなワケで?
最初の女は土から作ったリリスでした。リリスは勝気で自由奔放な女性でした。
「アダム、アンタってなんでそうトロいの?もーちょーさいあくよね〜
ココにいちゃあアンタ以外に男いないしぃ〜、アタシはどっか別の所へもっとイイ男探しに行くわ。じゃーね。サヨナラ!」
アダムで物足りなかったリリスはエデンの園を自ら後にしました。
この時リリスのお腹には実はもう子供がいました。この子はリリムと言う名の女の子。
後に男の夢に侵入して夢精させる色欲の悪魔になります。

神は「アラー、別れちゃった?土じゃだめだったかいねー」という事で
今度はアダムの肋骨からエバと言う名の女を作りました。
こうして人類には一組仲のいいの男女が誕生しました。

この間にも天使たちはせっせと神に言われた通り世界を開拓していました。
9階級の天使達はこの時既に存在していたと思います。
ある時大天使ミカエルがアダムとエバを天使たちの仕事場を見学させに来ました。
「はいはい、ちょっと注目〜。えーとだな、こちら人類最初の男女のアダムとエバね。
この2人の子供たちは数千年後色々と活躍するから、まぁ、失礼のないように!」
とミカエルが天使たちに紹介しました。
が、中にはあからさまにアダムとエバを邪険にする天使が一人いました。
「ケっ!なぁーにが人類でぃ。
俺たちの方がずっと早く生まれ、すっと神の手足となって働いて来たのに、
なんでこんな新参者にヘコヘコしなきゃなんねーんだよ?」
「コラ、そこぉぉ!誰だ、小学生の屁理屈みたいな事言ってるのは!?」
ミカエルの紹介にケチつけてきた天使はルシフェル
「明けの明星」の異名を持ち、天使の中で最も美しい光り輝く天使。
6枚の羽を持ち、一番神に可愛がられていたエリートです。最近神は人間ばっか構っているからちょっぴりジェラシ〜なのです。
やがてこの摩擦は天界のミカエル派と、ルシフェルの意見に賛同するルシフェル派に分かれて天界戦争を起こします。
戦争はミカエルが勝ち、ルシフェルは天界から突き落とされ、堕天使となりました。
ちなみに、ミカエルとルシフェルは双子の兄弟だとかそうじゃないとかって話もありますが、真相は定かではありません。
「ガセだガセ!あんな愚者が私の兄だか弟であってたまるか!」
「こっちだって願い下げだぜ、バーロー!覚えてろぉぉぉぉぉ〜」
この時ルシフェルと共に落とされたルシフェル派の天使たちの多くが堕天使になりました。
堕天使達は地獄を作り、ルシフェルは魔王サタンとして君臨しました。
美しい6枚の羽や「明けの明星」と異名される文句無しの美貌ルックスは、
やがて蝙蝠の羽・山羊の毛・角の姿へ変わり果てました。
「このままで済むと思うな!あの人間共もエデンの園から追い出してやるゼ!」

さて、そんな外野の事情は知らず、アダムとエバはエデンでのほほーんと暮らしていました。
そんなある日、天界に一人の天使Aがやってきて、大天使ウリエルに話しかけたのです。
(ちなみにウリエルも大天使。ミカエルらと同格であり、同僚ですね)

「やぁ、ウリエルさん。ちょっと聞くけどさぁ、人間が住んでるエデンの園ってどこにあるの?」
「はぁ?キミここで働く天使でしょ?知らないの?そこのタバコ屋の角を右に曲がって50メーター先に言ったところだよ」
「あぁ、そーだった。やは、ゴメンネー」
「しっかりしてよねーもぉー」
取り留めのない会話を交わしてウリエルは仕事に戻り、天使Aは去っていきました。
しばらくしてお茶でも飲もうかと肩を回していたウリエルはふと考えました。
「あいつ天使なのになんであんな事聞いたんだろ?
 …………………………………あああああーーーーッ!あいつサタンかぁぁぁぁぁあああああッ!?」
その通り。天使Aは実は天使に化けて人間の居場所を聞き出しに来た悪魔サタンなのでした。
「ヤベェ!大至急ヤベェ!俺、クビになるかも!?…あ、そんなコトより…」
ウリエルは急いでエデンを守る他の大天使たちのケータイに電話しました。
「もしもし?ウリエルだけどー、今そっちにサタン行ったと思うんだー。気をつけてねー。いやーうっかり教えちゃってさ〜」
「はぁ〜?何お前、教えてるんだよぉ!」
「そーよ!ミカエルにチクるわよ、このバカ!」
知らせを受けた大天使ラファエルガブリエルは手分けしてエデンにサタンが侵入していないか捜しに行きました。
ラファエルはアダムとエバの下へ行き、警告をしました。
「いいかい?今サタンがここに来てるらしいから、くれぐれも気を付けるんだよ?」
「は〜〜〜い(ほけ〜)」
「気をつけま〜〜す(ほけほけ〜)」
一方、ガブリエルは双眼鏡を片手に飛び回ってサタンを探します。
「何処にもいないわね〜。まぁいないならいないでいいんだけどぉ〜」
サタンはエデンでは蛇に変身していたのです。
天使たちの捜索網を潜り抜け、ヘビサタンはエバに近づきました。
「よう、エバさん。あんたエデンの中心にある善悪の木の実ぃ、食ってみたいと思わないか?」
「えー、神様が食べちゃダメだって言ったのよー?」
禁じられていた善悪の木の実。
しかし蛇は、神は人間に分け与えずに自分だけいい木の実を食べていんだ!、とか、
これを食べれば視野が広がるのだ!、とか言い、
うまいことエバをそそのかして善悪の木の実を食べさせました。
そしてアダムもエバに言われて食べてしまいました。
善と悪、自然と不自然を知ったアダムとエバは、裸である自分たちが急に恥ずかしくなり、葉っぱで前を隠しました。
人間が善悪の木の実を食べた事を知った神は、アダムとエバの追放を決定しました。
9階級の内上から2番目の智天使ケルビムが2人を追い出しに来ました。
「失せろ〜!出て行くがいい!これだから下っ端の大天使の面倒見る連中ってのは!ワハハハハぁ!」
「上司!『追い出す役』なんて楽な仕事だけ自分でやるなんてズルイです!」
これ以来、人間の長い長い苦労の歴史が始まるのです(俗に「原罪」と言われるヤツです)。
が、同時に、天使たちも歴史の中で幾度も要人を助け、歴史を組み立ててゆくのです…。

ウリエル「…俺のせいじゃないよね?」
一同「お前が悪い」


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