木村泌尿器皮膚科

〒224-0032 横浜市都筑区茅ヶ崎中央51-1 TEL 045-949-3066

超音波医学会専門医。腎尿管結石・排尿障害の診断が得意です。 ここは、院長日記の倉庫です。


第29回YUC@新横浜グレイスホテル


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

[第28回][第27回][第26回][第24回][第23回][第22回][第21回][第20回][第19回][第18回][第17回]
昨日のテーマは去勢抵抗性前立腺癌でした。
ホルモン抵抗性と呼ばず、去勢抵抗性と呼ぶようになったのは、ホルモン抵抗性前立腺癌に使える新薬の治験方法を統一するためだそうです。
1年半前のアボルブ講演会で、ホルモン抵抗性前立腺癌に使える抗がん剤の話を聞きましたが、
最近開発中の薬は、前立腺細胞内で作られるごく少量の男性ホルモンを抑える薬なんだそうです。
男性ホルモンを電気に例えるなら、発電している東京電力に当たるのが睾丸。
睾丸を働かなくするのが、去勢術もしくは月1回のリュープリン注射。
東京電力をストップしても中部電力(副腎)から2割の電力が来るので、各家庭の配電盤のスイッチを切って回るのが、毎日飲むカソデックスやオダイン(アンチアンドロゲン剤)。
送電線からの電力を完全にストップしても、実は家庭で電気を使うことは可能なんです。
自家発電機のある家庭があるんですね。送電線からもらっていた電力の数分の1ですが。
前立腺細胞も実は男性ホルモンを作る能力があるんです。睾丸が作った男性ホルモンが血液で運ばれてくる量よりはるかに少ないですが。
で今開発中の薬は、各家庭にある自家発電機を止める役目の薬、と言った感じでしょうか。
まあ、とにかく、新薬も男性ホルモンの生成を抑える薬ですから、ホルモン剤ということになり、
ホルモン抵抗性前立腺癌に使える新薬、というと定義に矛盾してしまうわけです。

[横浜市都筑区センター南駅木村泌尿器皮膚科院長日記一覧]