術中超音波穿刺のためのカーナビシステム
MRIで肝臓を1mm間隔でスキャンします。
詳細な肝臓の地図の出来上がり。
超音波の探触子のハンドル部分に
GPSのような位置感知装置をつけます。
探触子を横隔膜辺りに当て、
左に向けると、
カーナビの画面に、
MRIデータを元にした肝臓の左側の解剖図が出てきます。
超音波の画面に何が映っているのか、
カーナビ画面を見ればわかります。
カーナビがない車をドライブするときは、
車の周りの景色と、
地図を見比べながらの運転となります。
地図のページも自分で捲り、
北を上に表示された地図を、
頭の中で回転させ、
景色と地図を頭の中で合成します。
カーナビは、GPSのおかげで、
地図の場所も、
方向も自動で変わります。
運転手は頭で考える必要はありません。
カーナビが有効であるためには、
3つの条件があります。
地図が正確であること。
GPSが正確であること。
そして目視では迷子になるほど、
視野をさえぎる障害物があること。
北海道・美瑛の丘のような、
見晴らしのよいところでは、
カーナビがなくても、赤い屋根の家を見つけて、
目視で行くことは、可能です。
肝硬変を合併した肝臓がんを、
超音波でくっきり映すのは難しいのでしょう。
肝臓がんに針を刺して焼くのには、
カーナビがあったほうが、
超音波モニターだけより、いいのでしょう。
前立腺は超音波で全体がよく見えます。
MRIガイドがなくても、超音波だけで
小線源のシードを狙ったところに留置できます。
肝硬変の中の肝臓がんは、
目黒区の東京共済病院を探すようなもの、
前立腺に小線源のシードを植えるのは、
美瑛の丘で、スタンプラリーするようなものです。
術中超音波穿刺のためのカーナビシステムを日立が開発中で、日立病院の先生達が協力されているプロジェクトを日曜日の学会で聞いてきました。
下のブログに続く。
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