事務長は防火管理者乙種
大学病院を退職後、3ヶ所クリニックに勤務されている
看護師I.Mさんから、
「『雇用保険て何?』と聞かれて驚いたこともあります」
とのコメントをいただきました。
「税理士さんや社労士さんの裁量なのでしょうか?」とのことですが、そうではありません。
コンサルタントさんは、申請すべき書類はすべて、用意して渡してくれます。
でも、開業時にもらう申請書類が多すぎるんです。
当院には優秀な事務長がいます。
コンサルタントさんからもらった書類に「防火管理者」についてのものがあり、事務長は消防署に出向いて、
当院ぐらいの規模では防火管理者乙種をおく必要があることを聞いてきて、
事務長が1日講習を受けて、防火管理者乙種の資格を取ってくれました。
そして、時は過ぎ・・・・・・。
それから1年ぐらい経ってからのことでした。
ビル全体の防火を管理する立場にある不動産会社の社員が慌てて全てのクリニックを回りました。
防火体制が整っていないとの指摘を消防署から受けたようでした。
「至急防火管理者の資格を取ってください」とのこと。
でも、防火管理者の資格を取るべき、と消防署から指摘されたテナントのリストに当院の名前はありません。
「うちの名前は入っていないよ。」というと、
不動産会社の社員は「どうして抜けているんでしょう?消防署に確認してみます。」とのこと。
「うちは上さんが防火管理者乙種の資格を取っているからね。」と言っても、
その社員は、うちの名前だけがないのが、消防署のミスとしか思えないような顔で帰って行きました。
確か、
亜沙郎先生は関内に防火管理者乙種の資格を取りに行ったことをその頃のブログに書かれていたと思います。
I.Mさんが勤めておられるクリニックの先生は開業時に忙しすぎて、雇用保険の申請書をなくされたんだと思いますよ。
開業コンサルタントさんからは、レセコンやレントゲン設備のパンフレットなど山ほど資料をもらいますから。
開業直後に私が捨てたパンフレット類はダンボール2個分ありました。
「雇用保険ってご存知ですか?」と聞かれれば、いいんじゃないでしょうか。
私は自動車事故の患者さんを見ることはほとんどありません。なので、自賠責と任意の自動車保険の違いについて、未だによくわかりません。
例え職員から「院長!自賠責を知らないんですか?」と言われても、その職員を疎んだりしませんよ。
開業しようというドクターは、まず、
ドクターMのところにおられるドクターFのように開業医を手伝われて、
経営者になるということはどういうことか、勉強されると本当はいいんでしょうね。
ただそんなことをすると、開業する勇気をなくしてしまいかねませんが。
ドクターFはドクターMを見られて、自分には勤まらない、と思われたようですから。
駅前にどんどん出来るビル。そこに入居してくれるドクターを探すのが仕事のコンサルタント。
コンサルタントの甘い誘いに乗って開業するのは、開業医の実態を知らない勤務医たちです。
開業してしまってから、いろいろ勉強しなければならなくなるわけです。
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