木村泌尿器皮膚科

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超音波医学会専門医。腎尿管結石・排尿障害の診断が得意です。 ここは、院長日記の倉庫です。


グリーソンスコア勉強会@崎陽軒本店


前立腺がんの悪性度を判定するスコアにグリーソンスコアがあります。

グリーソンスコアが7以上だと、小線源療法はしてもらえない、といった事情で、勉強熱心な患者さんにはこのスコアの名前をご存知の方もいらっしゃいます。

癌の悪性度と言うのは、各々の細胞の核の面積などで判定されるのが一般的ですが、グリーソン先生の唱えた悪性度は細胞の並び方から、細胞の性質の悪さを判定します。

花火会場に仮説トイレが3つあるとします。

よく教育された人たちの集団なら、1列に列を作って、空いたトイレに先頭の人が行きます。これが正常な状態としましょう。

3つあるトイレの前に、3列の行列が出来ていれば、多少不公平ですが、まあ、礼儀正しい人たちとしましょう。高分化前立腺がんです。

トイレの近くは3列ですが、20mぐらい離れたところは、扇形に人が並んでいて、そこではちょっとしたマナー違反が起きています。中分化前立腺がんです。

トイレの周りを群集が取り囲んでいて、ドアが開くと我先に、人が争って入って行きます。低分化前立腺がんです。

病理診断は、航空写真(しかも静止画)を基に、この集団のモラルはどうなっているかを判定するのに似ています。


WHOの悪性度分類は、そこに映っている人たちの人相や服装から性格の悪さを判定します。

グリーソン分類は、行列がどうやって出来たか、これからどんな行列になって行くのか、想像力が必要です。

昨日の前半は病理医による講演で、後半は、15例の前立腺がんの病理標本写真を見ながら、グリーソンスコアを当てる症例検討会でした。

3時からの会なのに、私が着いたのは4時ごろ。前の方の席が空いていたので前に座りましたが、

「6だと思う人」という座長の問いかけに、私が挙手しても、後の人たちが手を挙げている様子がなく、恥ずかしい思いをしました。

後のほうに着席すべきでした。私の正解率は15問中6問。グリーソンスコアは難しいです。

でも楽しかったです。

行列の例え話を続けるなら、

この人は、前を向いていますが、右足を隣の行列に踏み出していますね。この人は割り込みしようとしている性質の悪い人です。

この人は横を向いていますが、腕を組んで笑っていますね。隣の人と話しているだけで、割り込もうとはしていないマナーの良い人ですね。

というような解説を聞いて、すごく勉強になりました。病理医に任せきっていた分野に興味を持たせてくれました。

病理のプロとの初の勉強会でした。場所は崎陽軒本店。

さて、昨日のブログクリスタルジェイドと崎陽軒との比較検討を書くと予告しましたが、できません。

強いて言うなら、クリスタルジェイドはさっぱりしていて、中華料理は油っこいから苦手という人にお薦めの店です。

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