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棒屋の意地:日帰り針生検は続けるぞ


今日までの3日間開かれた泌尿器科学会、1日目と3日目に前立腺針生検のセッションを聞きました。

入院での針生検は、6箇所生検から10〜12本に移行しつつあります。医科歯科大学では、26本。

さらには、”飽和生検”(saturation biopsyと言うそうです)20〜30本、体積が大きい場合はもっと取る方法が、特に何度生検しても癌が出ない(でもPSAが異常に高い)場合にやられるのですが、それを初回からやるという医療機関からの発表もありました。

たくさん刺せば、それだけ癌の見落としは少なくなります。

3月までの3年間に当院では、6箇所生検で53例の癌を診断しました。

6箇所生検といっても、


尖部は尿道に垂直に貫き、尖部腹側をしっかり取る

中央部では最外側を穿刺

など、医科歯科大学の26本生検の結果を参考に、より発見率をあげる工夫はしています。

今月も2例の癌を診断しましたが、このうちお一人は、右膀胱側の1本の一部のみに癌が見つかりました。

しかも結構悪性度の強い癌でした。

尖部と中央部は狙って生検していますが、膀胱側は等間隔になるようにというだけで特別な工夫はしていません。

ここからだけ、悪性度の強い癌が出たのはちょっとショックでした。

うまくサンプリングしていなければ、この人は3ヵ月毎のPSA採血になるわけで、再生検するのは早くても半年後。

癌の診断は半年後になっていたかも知れず、早期がんではなくなっているかもしれません。

癌を見落とす事を恐れるなら、もう日帰り生検は止めて、入院できる施設に前立腺針生検を任せるという選択肢になります。

皆が10本以上採取しているのにうちだけ6箇所に留め、その結果早期がんを見落とした、と攻められるのは怖いですから。

でも、学会に出席していいことは、論文に書かない本音が聞ける事。

陽性率は、本数より術者の経験年数に関係する事、特に尖部腹側での陽性率はベテランで高いこと、

26箇所生検は病理学の医者の負担が増す(6本でも26本でも、手技量・病理診断料の診療報酬は同じ)ので、最近は16本にしていること、

などを聞く事ができました。

となれば、私は、「直腸プローブ1本、さらしに巻いて〜」でやってきた医者ですから、前立腺のどの場所を今刺しているかについては、泌尿器科学会員のなかでもかなりのプロであると自信が持てます。


なので、これからも限定6本日帰り生検を続けようと思ったのでした。

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