[アルテミスと
エンデュミオン]
←この絵を見て最初に注目するのは(私なら)手前の青年(の小道具)です。
彼の背後の羊、そして手に持っている杖から、彼が羊飼いである事が理解できます。しかも寝ています。
ギシシャ神話に羊飼いは多く登場しますが、寝ている羊飼いとなるとグっと条件が絞られてきます。
ここで、エンデュミオンのエピソードをご存知の方ならば、この絵がなんのシーンなのかすぐにお分かりかと(神々の資料館>「女神シリーズ」参照)。
ゼウスに頼んでエンデュミオンを永遠に眠らせてもらったアルテミスは、毎夜彼を見つめ続けたというなんともバッドエンドなお話があります。
よく見ると女性の背後には大きな三日月がぼうっと輝いていますので、間違いなく彼女は月の女神アルテミスです。
そして、エンデュミオンの上方にいる子どもは、毎度ラブシーンに特別出演のエロスでしょう。何か手に持っていますが、これは矢でしょうか?この矢が、アルテミスの方を向いている事にも、このエピソードを暗示させる意味があるのかもしれません。
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