オリュンポス最高神のゼウスはある時白鳥(後に白鳥座になる)に変身して
人妻レダと不倫して子供を4人もうけました。まぁ、それはどうでもいいんです。
レダの子供たちは双子が2組。現代医学でインチキでもしない限り有り得ない確立っぽいです。
しかもその子たちは卵から生まれたのです。父が白鳥バージョンだったから。
卵は二つ。片方からはヘレネ&クリュイテムネストラ姉妹。
もう片方からはカストル&ポリュックス兄弟が生まれ、後者の男の子二人はやがて夜空に輝く双子座となります(ココの組み合わせは異説が様々です)。
さて、カストルとポリュックスは3度の飯も風呂も寝る時も常に一緒、と言うほどそれはそれは仲の良い兄弟でした。
もしかしたら体どっかくっついてるんじゃあるまいか?と噂されるほどベッタリでした。
やがて成長し、カストルは乗馬(ホースライディング)の名人、
ポリュックスは拳闘(ボクシング武器使用可能版)の名手になりました。
二人はよく冒険へ出かけたものでした。
しかし、パターン的に楽しく幸せな時間はやがて終わりがあるものです。
ある時カストルとポリュックスは、イダス&リュンケウス兄弟を相手に喧嘩をはじめました。
似たりよったりなこの兄弟たち、前々から馬が合わなかったのです。
やれ牛を盗んだとか、やれ女の事でも喧嘩したとか説は色々ありました。
「ヨォーヨォー、キョーダイ。巷で一番イケてる兄弟コンビは俺っち達だってのを
そこの貧弱ツインズに思い知らせてやろーぜー」
「賛成だな、キョーダイ。イケてる兄弟コンビは一組で十分だーぜー」
「なにを!?腐ってもゼウスの血を引いてる僕達の力を甘く見るなよ?なぁ、兄弟!」
「そうともさ!何だか分からないけど、ベスト・オブ・兄弟コンビは僕たちさ、兄弟!」
両者まさに互角…!だったのでしょうが、戦いには相性という物があります。
イダスは弓に優れており、またリュンケウスは遠くの物を透視する力がありました。
リュンケウスが狙いを定めた物をイダスが射れば、百発百中。
この連携スナイピング攻撃によってカストルは死んでしまいます。
逆上したポリュックスは電光石火の反撃でリュンケウスをやっつけましたが、
次の瞬間イダスが投げつけてきたその辺の墓石が頭にクリーンヒットして倒れてしまいました。
…が、数分後ムクっと起き上がったのです。
そうかぁ!ジブン、不死身だったのか!
ジブン、何気に親父の血を濃く引いていたらしい!と言うことに気が付いたポリュックス。
しかし自らの半身とも言える兄・カストルはもうこの世にいない。
ポリュックスはトボトボと父神ゼウスのいる山へ歩いていきました。
「お父さん…。兄さんが死んだ。僕一人が不死身で生きていたって何になるって言うのさ。
…自殺したいからこの不死身解いてくれない?」
「…………いや、『自殺したいから』って言われて、ハイそうですかって訳には…」
「お願いだよ、お父さん。だって、兄さんいないしー」
「でも、『自殺したいから』って……うーん、ヤバイと思うのヨ…;」
「頼むよ〜」
全国の自殺志願者様、こういう事言って人を困らせるのは止めましょう。
仕方なくゼウスはポリュックスの願いを聞き入れ、カストル共に夜空に輝く星座に変えたといいます。
永遠に二人で仲良く輝くことでしょう。
補足ですが、逃げ遂せたイダスはその後ゼウスの雷によって死にます(墓石を武器にするとはけしからんから。)
The
End
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