水瓶座の王子

1月21日から2月18日生まれを守護する水瓶座は瓶を持った少年の姿を夜空に映した秋の星座です。

 

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水瓶座の人物は神話上、1番目か2番目に「美少年」と言われるトロイアの王子ガニュメデスである。(ただの羊飼いだって説もありますが)
この「ガニュメデス略奪」を描く絵画の数々を見ると彼の年齢は転々バラバラで(と言うより、だんだん成長しているような気もする・・・)定かではないが、とりあえず2歳〜十代後半、と仮定しよう。

女ばかりか、美しければ男にでも手を出す
ゼウスがこの美少年を放っておく筈もなく、
巨大な鷲に化けてガニュメデスを攫ってしまったと言う。
この鷲はどの絵画でも巨大で(人間を攫えるくらいの大きさだし)黒く大きな翼をはためかせて空に舞いあがるシーンが描かれており、
鷲座としても星空に描かれている。
ガニュメデスを天界に連れ去ったゼウスは彼を酒杯を捧げる従者、つまり「お酌する役」に付かせたのだ。
日本でも将軍の脇に刀小姓がいたり織田信長の脇に蘭丸がいたりするが、あんな感じで名誉ある役柄だった。
名誉と言えば名誉だが、誘拐しておいて名誉ってのも何だか恩着せがましい。
しかし本来この役は女神
ヘラ(ゼウスの正妻)の娘、ヘベの役目の筈だった。
娘の役職を横取りされたヘラは怒り、ガニュメデスを殺そうとする。
ヘラの恨みを買ったらどういう事になるか・・・
(「神々の資料館」の「ゼウス・連日浮気生活の物語」参照)。
よぉぉく分かっているゼウスはガニュメデスを星に変えてしまう。これで一安心。
以来、酒の入った水瓶を持った少年ガニュメデス、改め、水瓶座が夜空に輝くようになったと言う・・・・
ちなみに、ヘベがお酌役から外された事には理由があった。
彼女がいつもの様に酌していたとき、みっともなく、滑って転んでひっくり返ったらしい。
その失態を心の狭いゼウスが許さなかったとか。それに代わったガニュメデスを恨むヘラもヘラだが・・・・。

もう一つ言うならば、当時のトロイアに何人王子がいたか知らないが(スペアがいるならいいだろうケド)、
大事な王子がくだらない理由で攫われて王はなんとも思わなかったのかと言うと、そりゃあ困ったのだろう。
ゼウスは
アポロンを使いに出し、父王に不死の神馬を贈ったと言う。
身の代金のつもりだろうか・・・。とにかく地上の人間にはどうすることも出来なかったのだろう。憐れな第三者がここにも・・・・

 

The End