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           美の女神アプロディテの子供、実はエロス一人ではない。 
         
         まぁ、エロスがお気に入りみたいなのでいつも連れ歩いてはいるが… 
         
         いや、むしろあの女のテンションについて行ける子供ってのがエロス一人だったんじゃあるまいか? 
         
         とにかく他にもいるという所だけ抑えて置いてくださればヨロシイ。 
         
         彼らは今回別に出てこないし…。 
         
          
         
          アプロディテと、商業の神ヘルメスの間に実は息子がいる。 
         
         かの有名なハヤオ・ミヤザキ氏の大ヒット映画でも、 
         
         「名前を支配する事はその人そのものを支配する事」と言われていたように、名付けは結構重要である。 
         
         アプロディテとヘルメスはお互いにどっちがこの子の名付け親になるかで揉めた。 
         
         ジャンケンしたが、何故かいつまでたってもあいこが続く。 
         
         仕方が無いのでお互いの名前の一部をカット・ペーストして 
         
         ヘルマフロディトスと名付けた(舌かまないようにご注意を)。 
         
          
         
         時は流れ、仮にも美の女神の血を引くヘルマフロディトスはそれはそれはハンサムに育った。 
         
         ある時散歩がてら森で水浴びしているとニンフのサルマキスが通りがかった。 
         
         彼女は電撃に打たれたように天啓を受けた(本人・談)。 
         
         アルテミスとエンデュミオン(短編集2参照)の時と似ているが、どうも、男の無防備な姿と言うのに女性は弱いらしい。 
         
         「アンビリーバブル!そこの美少年っ!私と結婚して!もうあなたを放さないワッ!」 
         
         サルマキス、突進。これはある意味変態行為である。当然ヘルマフロディトスは嫌がって逃げる。 
         
         だが恋する乙女(乙女…?)は諦めない。やっとの思いで追いついてビタっと彼に抱きつくと、スッポンのように離れない。 
         
         そして大神ゼウスに訴えた。 
         
         「オーゴッド!ゼウス様!私の愛を叶えて〜!どうか彼と永遠に1つでいられるように!」 
         
         彼女の執念か、あるいはゼウスの気まぐれか。 
         
         サルマキスの願いを聞き届けたゼウスによって、ヘルマフロディトスとサルマキスの体は融合したではないか。 
         
         これがギリシア神話上唯一の(?)、そしていまやファンタジー小説や漫画やなんか日本じゃ結構見かける 
         
          中性体・両性体・両性具有・アンドロギュヌス(呼び方様々ですが)の姿である。 
         
         「……………なんか…、ないものがあってあるものもあるんですけど」 
         
         つまりそういうことだ。 
         
          
         
         ご愁傷様です。 
         
         THE END
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