エロスの「純情な」恋物語

愛の神・エロスは、背中に羽が生えています。
弓矢を持っています。
少年の姿をしています。
美の女神であるアプロディテの息子でもあります。
エロティック」と言う言葉の語源は彼の名前です。
しかし、別に彼がスケベだったわけではありません(多分)。

ルネッサンス時代中心の絵画においてエロスは天使に似た「幼い子供」の姿で描かれることもありますが
この場合、大抵アプロディテか、ラヴシーンか、「あっは〜ん♪」な感じの女性の絵に一緒に描かれていることが多いのです。
「愛」を象徴する意味合いから、画家達は彼を絵の中に描き加えたがるのでしょう。
アプロディテは大抵、半裸体で大胆なポーズを取って描かれています。
「そーゆーの」の側にいつもいることを「エロティック」と言うようになり、
それはやがて欲情的な意味の言葉に変化していったのです。
と、言うわけで、別にエロスは色魔(失言)だったわけでもなく、
こんな「純情すとーりー」もあったわけです(?)。

 

あるところに美しい3姉妹がいた。
なかでも末の妹プシュケの美しさは「女神」と称えられるほどの物だった。
美を司る女神アプロディテが嫉妬するくらいなのだから、相当のものだったのだろう。
我慢できないアプロディテはエロスに命じてプシュケに恋の苦しみを与えてやれ、と命じた。
「恋することはツライ事だわん!胸が詰り、お食事も喉を通らなくなるのん!
その苦しみを思い知らせてあげちゃうのよぉ!ひゅーほほほ!」
つまり、例の弓矢で射て、と。(神々の資料館>「アポロン〜」参照)
命じられたまま、エロスは夜中プシュケの寝室に忍び込んだ。眠っている間に射ってしまおうと言う魂胆だ。
「しかたねーじゃん。僕だってかーちゃんはコワイんだ。」
眠っているプシュケを見てエロスは一瞬、躊躇った。
・・・・・・・・かわいい。好みだった!
矢を射ようかどうしようか悩んでいる内に、うっかりエロスは自分の指を矢先で傷つけてしまったのだ。
とたん、エロスの胸にかつてない恋心とトキメキがきゅぴーんと走りました。
この矢、むろん本人にも効果がある。
プシュケを見て 君は僕の瞳だ星だ太陽だ状態に陥り、(注:この物語は一部の感情・表現はより解りやすくする為特殊形態を取っている場合があります)結局プシュケに矢を射ることはできませんでしたとさ。

さて、美人3姉妹の上の姉達が次々結婚していったと言うのに、
どういう訳か一番美人のプシュケだけがなかなか結婚できない。
心配になったプシュケの父が太陽の神 アポロンに相談に行くと、とんでもない神託が返ってきました。
「おまえの娘は人間とは結婚できない。すぐに生け贄にしなさい」アポロン・談。
可愛い末娘を父親は泣く泣く生け贄の岩山へ連れて行き、そこへ置き去りにして帰っていった。
悲しみ、泣き疲れたプシュケがぼんやりしていると、
急に強い風が吹き、彼女は吹き飛ばされてしまった。
飛ばされた先は深い森の中に佇む立派なお屋敷。
「何故こんなところにお屋敷が・・・」と思いながらプシュケは足を踏み入れた。
屋敷の中は豪勢なご馳走が彼女を待っていたかのようにセッティングされていたのだ。
「これは君の為に用意したものだよ。この屋敷で自由にお暮らし」
姿が見えない不思議な声に、プシュケは不安ながらお言葉に甘えてくつろいだ。

やがて夜も更け、真っ暗になるころ屋敷の主人が帰ってきた。
暗くて全然姿が見えないが…。
主は、ずっとここでくらしていいが、絶対に自分の姿を見ないでくれとプシュケに頼み、
彼女も怯えながらそれに同意した。
そして次の日も次の日も、夜になると現れる主は朝には姿を消してしまう・・・。
姿は見せないが優しく接してくれる主に、プシュケはだんだん心を開いていった。
ある日プシュケの父が病に倒れたと聞き、プシュケは主の許しを得て家族に会いに行った。
久しぶりに会った姉達にプシュケは館の主の話をした。
すると姉達は「あんた、その人怪物なんじゃないの?今は優しくてもその内食べられちゃうのよ」

そんな事無い!あの人はとっても良い人だ!
そう思ったプシュケだが、心の底で不安になった。
なんせ姿は見せない上、夜しか現れないのだから。
ねーちゃん達の言うことも一理ある。
その夜、いつものように帰ってきた主を、プシュケは一大決心と共に迎えた。
主が眠ってからプシュケは彼の姿を見ようとランプを掲げた。
彼女が目にしたものは背中に羽のある美しい少年(らしいぞ・・・)愛の神エロスだった。
びっくりしたプシュケの手元が狂い、ランプの油が零れてしい、主が目を覚ましてしまった。そりゃ、熱かろう・・・。

約束を破ってしまったプシュケに絶望したエロスは彼女を残して消えてしまった。
「待って!私はあなたを愛してる!」と言う彼女の訴えにも振り返りはしなかった。
「疑惑と愛とは相容れないんだよ」と残して。
その後プシュケは寝ないで森をさ迷い歩き、エロスを探しつづけた。
女神アプロディテの元に行き、エロスに会わせてくれと頼んだ。
アプロディテがそんなこと許可するはずが無い。
「自分からエロスちゃんを傷つけておいて、まぁー、何てずぅずぅしーのん!?」
変わりに無理難題を押し付けて彼女をこき使った。
働き通しのプシュケはついに過労で倒れてしまう。(冥界から持ってきた箱で眠ってしまうという説もある)
そこへ見るに見かねたエロスが助けに来たと言う。
「やっぱり君には僕が付いて無いとダメだね…」
「あなたのお母様、夜勤手当も寄越さずこき使うのよ…?(ゼェゼェ)」

そして、ゼウスに結婚を認めてもらい(アプロディテに言っても無駄だから)、
「あーなに?結婚したいの?どーぞ、好きにして。文句無いよね?アプロディテ」ゼウス・談
結ばれたと言う

長い長いらぶすとーりぃでした。 

THE END