ハデス、デメテルの娘を攫う

世界には(一部除いて)なぜ四季と言うものが存在するのか?
本当に四季と言うのは存在しているのか?
案外、世界の気候と言うのは常に一定で誰かが「気候の変わる時期」を勝手に作っているのかもしれない(かも〜*)。
古代ギリシア世界において、そんな仮説を生んだゼウスの妹の一人、豊作の女神デメテルの話を語りましょう。

 

女神デメテルは豊作の女神だった。
彼女の心が穏やかなとき、喜びに満ちているとき、地上の植物達は咲き乱れ大豊作、という寸法である。
彼女には一人の娘がいる。最愛の娘、ペルセポネ
「いやーもぉーかわいいのなんのって、さすが私の娘よね、おほほほほ♪」
そんなデメテル自慢のペルセポネの美しさに目を付けた冥界の神・ハデスは彼女を妻にしようと誘拐しに行く。
大地が裂け、花を摘んでいたペルセポネはその亀裂から現れたハデスに有無も言わず攫われてしまった。
(血縁関係を見るとハデスとペルセポネは叔父と姪っ子なのだが、神々にはイッツ・オーライ、らしい)
愛娘、ペルセポネが姿を消したことを知ったデメテルはパニック状態で血眼になって彼女を探した。
しかし、ペルセポネが攫われたのは地下世界。
見つかるはずもなく、デメテルは悲しみに暮れ、絶望した。
悲しみはやがてやり場の無い怒りに代わり、「もう、植物なんぞどうにでもなれ!」と
自ら守護する大地に八つ当たり。

地上の植物はどんどん枯れて行き、端で見ていたゼウスは「これはマズイ(´д`;)」と思い、
ペルセポネを返してやるようハデスに伝える為、ヘルメスを使いに出した。
ヘルメスが迎えに来て、ペルセポネが地上に帰る日、ハデスはペルセポネに言った。
「本当はこんなやり方は望まなかったのだよ。
でもこうでもしなければ君は地下世界に来てはくれなかっただろう…?」と謝り
お詫びに彼女に石榴(ざくろ)を渡した。
地下世界に来てから、何も口にしていなかったペルセポネはその石榴を受け取り数個口にした。
彼女は知らなかったが、石榴とはは冥界の果物なのである。
ハデスは確信していたのだが、その果物を口にしたと言うことは、冥界の住人になったという事を意味するのである。

まんまとハデスにハメられてしまったペルセポネはその後、
1年の内3分の2は地上で暮らせるが、3分の1は冥界である地下世界でハデスの妻として暮らさなければならなくなった。
そして、毎年ペルセポネが冥界で暮らす3分の1の時期を悲しんだデメテルはその時期だけ植物の実りを禁じ、
「冬」と言う季節が始まるのだった。
ちなみに、妻を欲しがっていたハデスにペルセポネを勧めたのはゼウスだと言う話もある・・・
「わはははは、丸め込んで妻ゲット〜」
「……すっごい不愉快。」
セコいやり方で結婚したハデスとペルセポネの夫婦仲は、良いとは言いがたいが。

The End